先月になりますが、以前から行ってみたいと思っていた、
播磨科学公園都市にある、理化学研究所放射光科学総合研究センターの
スプリング8(SPring-8, スプリングエイト)とさくら(SACLA)を見学してきました
スプリング8とさくらはそれぞれ大型放射光施設とX線自由電子レーザー施設といわれるもので、
わかりやすく言うと、スプリング8は非常に明るい光である放射光を使って、
原子レベルの構造や働きを観察することができる顕微鏡、とのことです。
和歌山カレー毒物混入事件(1998年)では、ここの高輝度X線を用いて、科学鑑定を行ったそうです。
花王(株)は毛髪のうねりのメカニズムを解析、有機酸を配合したシャンプーとコンディショナー
Segretaを開発。
トヨタ自動車(株)は専用のビームラインを持っており、「自動車の排ガスを浄化する三元触媒において、
性能を向上させる助触媒の機構、および浄化性能を持続させるための触媒貴金属粒子の
成長抑制機構を解明『SPring-8明日を作る光』より抜粋」したそうです
さくらはアメリカ・スタンフォードのLCLSに次いで、
世界で2番目のXFEL(X線自由電子レーザー)として運転を開始。
XFELにおいて原子や分子の瞬間的な動きの観察が可能ですが、
諸外国では数キロメートルにも及ぶXFELをさくらは700mとコンパクトなものとなっています
スプリング8とさくらは隣接していることから、世界一の光源施設を同時に相互利用できるメリットが
あるとのこと
一番でなければダメなんですか?
ひと昔前に世間を賑わせたフレーズですが、それに対し、
「二番手以降はいつも一番の背中を追わなければならない。
一番で走り続けると、その世界は無限に広がる。」
と職員の方が仰っていたのが印象的でした
もし、再びSPring-8とSACLAに行く機会があれば、今現在よりもっと理解できていたらいいなあ、
と思ったので自分の記録として残すことにしました。
言うまでもないことですが、私に難しいことは聞かないでね
Spring-8
SACLA
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スプリング8 (SPring-8, Super Photon ring 8 GeV,)
1997年理化学研究所播磨キャンパス(兵庫県佐用郡)に建設される。
蓄積リング方式のX線光源(第三世代シンクロトロン放射光源)として、
世界一の高いエネルギーと世界有数の輝度を持つ。
さくら(SACLA, SPring-8 Angstrom Compact free electron LAser)
スプリング8に隣接する、世界初のコンパクトなX線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free Electron Laser)
光源。
2011年レーザー光の波長として世界一短い0.06ナノメーターを達成、
現在もその記録を更新し続けている。
(写真:左)
円環状建物がSPring-8、直線状建物が SACLA
SPring-8のHPより拝借しました。
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