世界の金融市場で、第二のリーマン・ブラザーズになるのではないかと囁かれている企業が
スイスに本拠を置く資源商社(鉱山開発・商品取引など)のグレンコア
(ロンドン証券市場と香港市場に上場)です。
同社は世界最大の商品取引会社で、亜鉛取引の世界シェア60%、銅50%を占め
2014年の売上高は、2200億ドル(約28兆円)に及ぶ巨大企業ですが
今年9月28日のロンドン市場で、株価がおよそ30%下落。
年初来では77%下落し、FTSE100指数構成銘柄の中で最悪のパフォーマンスを記録しています。
(グレンコアの株価推移:ロンドン市場)
http://jp.investing.com/equities/glencore
主な原因は、中国の景気減速と米国の利上げ観測に伴う資源価格の急落ですが
9月28日の株価暴落は、資源国である南アフリカの大手銀行インべステックが
資源安が続けばグレンコアの株主価値はほとんど無くなるだろうと
投資家に警鐘を鳴らしたことが引き金になったと考えられています。
また、この件に関して日本の金融庁も緊急調査に乗り出している様ですが
同社に対する日本企業の与信残高は、メガバンクを中心におよそ30億ドル(約3700億円)で
野村ホールディングスを始め、大手証券会社が株や債券を保有しているとのこと。
ただ与信額自体は、邦銀の経営に影響を与える規模ではありませんが
万一、グレンコアが破綻すれば欧の金融市場は大きく動揺し
その影響が世界の市場に及ぶ可能性は充分あると思われます。
この様な状況下で、グレンコアは約100億ドルの債務圧縮プログラムの一環として
新株発行と配当の見送りを決めていますが
G.Sは、同社の債務圧縮とバランスシート改善のための措置は不十分だと指摘しており
株価の低迷は依然として続いています。 (ブルームバーグの記事より抜粋)
それにしても次から次へと相場の不安材料は絶えませんね (^_^;)