韓国LGディスプレイ、アップルより有機ELパネルを受注

[kabukabumanさん]

ＬＧ、有機ＥＬ新工場に１兆円投資　iPhone向け     

（2015/11/27 2:00　情報元　日本経済新聞　電子版）

【ソウル＝小倉健太郎】韓国ＬＧディスプレーはスマホなどに使う表示装置である中小型有機ELパネルの新工場を韓国内に建設する。2017年末にも稼働させて徐々に生産量を増やし、投資額は数年間で１兆円を超える見通し。米アップルから18年に発売する「ｉＰｈｏｎｅ」に有機ＥＬパネルを採用する方針を伝えられたため供給体制を整える。

26日の取締役会で増産投資に乗り出す方針を確認した。ＬＧはテレビ用大型パネルで有機ＥＬの生産設備に積極投資してきた。スマホや車載ディスプレーに使う中小型でも市場が拡大すると判断。大口需要家であるアップルがスマホに採用するため、液晶から有機ＥＬへ投資の軸足を移す。

新工場は韓国北西部の坡州（パジュ）にある既存工場の敷地内に建てる。このほど土地の造成を始めた。アップルなど大手スマホメーカーの有機ＥＬの採用動向を見極めながら、最終的な投資規模を調整する。

中小型の有機ＥＬパネルは韓国サムスン電子が世界シェアの９割以上を握る。サムスンは４月に韓国で新ラインを稼働させ、中国の華為技術（ファーウェイ）などへの外販も増やしている。

生産設備を蓄積しているサムスンもアップルとｉＰｈｏｎｅ向けに有機ＥＬを供給する交渉に入った。ＬＧは坡州工場に中小型有機ＥＬパネルの生産設備を持つが規模が小さい。供給能力を増やさなければサムスンがアップルの有機ＥＬ需要の大半を取り込む可能性があるため、大規模な増産投資で対抗する。

有機ＥＬは鮮明な色が表示ができるほか省電力性能に優れる。ただ発光量など性能が経年劣化しやすく、生産効率も悪い。アップルはこうした弱点が克服できるかを今後１年程度で見極め、発注量を決めるとみられる。