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金下落の要因が知りたければ……

金市場が軟調になっている要因が知りたければ、インドの農家と話してみるといい。


インドでは推定8億人が農業に依存し、金が宝飾品や富の保存手段としてあがめられている。収穫期の農家は多くの現金を保有し、インドが中国と世界最大の金輸入国の座を競うことに寄与してきた。ディワーリー(ヒンズー教の灯明祭)の祝祭シーズンである11月には例年、農家が宗教的理由や花嫁の持参金として金を購入するため販売量が急増する。

ただ、今年は例年ほど金の販売量は増えていない。エルニーニョ現象の影響によりモンスーンシーズンの降雨量が6年ぶりの低水準となり、農家の収穫高と所得が減少しているためだ。ランジート・チャバンさんら農家は出費を抑えている。
「娘に金のイヤリングを買ってやりたかったが、諦めた。雨がそれほど降らなかったので収穫が思わしくない。金を買うことなど考えられない」とチャバンさん(35)は語る。チャバンさんはムンバイから約150マイル(約240キロメートル)の場所にある農地でサトウキビを栽培している。

国内の金需要の約60%を占める農村部での需要が弱いため、ディワーリーに向けて在庫を積み増していたディーラーらはここ数十年で最も大幅な値引きを行っている。それは、金の国際市況の悪化につながる可能性がある。年間ベースの金価格は既に21世紀に入って最長の下落に向かっている。タイムズ・オブ・インディア紙によると、綿花と小麦の産地である西部のグジャラート州の金輸入は10月に前年同月比で87%落ち込んだ。

インドは今年のエルニーニョ現象の影響を十分に予想することができなかった。同現象により異常気象が発生し、エクアドルやインドネシアで農作物の収穫が脅かされている。インドでは当初、降雨量が過去50年平均を7%下回ると予想されていたが、14%下回る事態となっている。同国ではモンスーンシーズンの降雨が農業向けかんがいの主な水源となっている


ブルームバーグ抜粋
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