ぷーたろう体験記さんのブログ
衛生面について④ 滅菌機器の解説とその検査
さ~て 面倒なお題になりました。
高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)のお話です。
とても大切なことなので
つまらないとか言わずにゆっくり眼を通して下さいね。
今回はピアッシングに使用するもの全て
ピアッシングジュエリー、ニードル、他ツール関連、ガーゼなど消耗品
を無菌状態にする滅菌処理に関する部分です。
滅菌に使用する機器は高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)と呼ばれています。)
オートクレーブは現在その滅菌手法がE.Oガス、ガンマ線など数種類あり、
当店で使用しているものは高圧蒸気を使用しています。
高圧蒸気に汚染物を曝し(さらし)て微小な細菌や病原菌、ウィルスなど
全てを死滅させて無菌状態を作り出します。
原理は圧力釜と同じです。
密閉した容器を加熱して圧力を上げていき、
気圧と温度で作用させます。
その際に最大限の効果を上げるようにするには
高圧蒸気が容器内全てに行き渡るようにするのが理想です。
しかし...............
蒸気が届きづらい場所というのがオートクレーブ内にあります。
積み重ねられた滅菌パックの間やガーゼなどのパック。
チューブ状の汚染物、オートクレーブ内下部にある汚染物などです。
高圧蒸気が充分に届かない限り
滅菌の効果は上がらず、
場合によっては滅菌が完了しない事すら有り得ます。
汚染物を扱う者としては致命的な事態を生みかねませんので
それだけは避けないといけません。
隅々まで高圧蒸気を行き渡らせて
完全な滅菌を行える機器が必要です。
ヨーロッパの国々では
ピアッシングに関して様々な規定があります。
その中の1つがクラスBのプリバキュームタイプといわれるオートクレーブです。
上記の国々のピアッシングスタジオではこのタイプでないといけません。
現在日本国内で出回っているオートクレーブでは規定に合致しないのです。
どこが違うのか?
プリバキュームって何だ?
プリ→事前に バキューム→吸い込む
?????????????????ん~?
オートクレーブの原理が圧力釜と同じだと先程書きましたね。
ただ、料理で使用するものと理想的な滅菌を行えるものとは違うっ!
てな事から考えます。
Wikipediaのオートクレーブの項を見ると以下の様な記述があります。
《オートクレーブ処理を適正な温度、圧力で行うためには釜(加圧のための容器部分)の内部が飽和水蒸気で満たされている必要があり、空気が大量に残っていると圧力の上昇が遅くなって滅菌が正しく行われない》
今までのオートクレーブと
理想的な滅菌を行えるオートクレーブの違いはココです!
滅菌釜内部の空気を抜いて真空状態にしてから
高圧蒸気を送り込むので隅々まで行き渡るのです。
だから プリ バキューム なんですね。
意地悪な考えをすると
どんなに良い機材を揃えても
ちゃんと機能していなければ何の意味も無い訳で、
クルマのエアコンが付いているけど効かないとかいう程度の問題なら良いのですが
ピアッシングの際の機材の滅菌となると話は別です。
完全に滅菌されていなくてはいけません。
そこで.............................
オートクレーブのテストが行われます。
現在EXTREMEで行っているオートクレーブの動作テストは
作動時は毎回行うもの、毎週1回行うものがあります。
毎回行うものは、インジケーター、インティグレーターがあります。
インジケーターとは滅菌パックの外側に元々付いているものと
パック内に封入するものがあります。
どちらも高温の蒸気に触れると色が変わる簡易式のものです。
パック一つ一つが蒸気に触れていたかどうかを確認できます。
インティグレーターは滅菌パックに入れるのではなく
パックと同じ環境下に置いて滅菌をし、
滅菌釜の内部で(少なくともインティグレーター周辺が)
蒸気に触れたか、
また圧力が規定範囲まで上がっていたかを
色の違いはビフォーアフターです。
週に1度行うテストは
スポアテストとへリックス・ボゥイディックテストの2つです。
スポアテストは菌を封入してあるテストパックを滅菌してみて
専門機関に送り、完全に滅菌されているかどうかを確認してもらいます。
合格すると証明書が送られてきますので
そちらはいつも新しいものを店内に表示してあります。
へリックス・ボゥイディックテストとは何でしょう?
へリックステストはきちんとプリバキュームが行われているかどうかのテストです。
空気の抜けづらい細く長いチューブの先端に試験紙を封入して
ちゃんと機能しているかどうかを調べます。