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人気取りの政治家のために、被害者は

必ずでる。
逆の人も当然いる。

「コンクリートから人へ」というスローガン


越水「人災だ」住民反対押し切りソーラーパネル設置
日刊スポーツ 9月12日(土)10時18分配信

越水「人災だ」住民反対押し切りソーラーパネル設置
濁流が流れ込むきっかけになったと住民が訴えるソーラーパネル(撮影・三須一紀)
 鬼怒川から大規模な水害が発生した茨城県常総市で11日、住民の逆井(さかさい)正夫さん(67)が「これは人災だ」と訴えた。同市若宮戸地区では、昨年3月ごろから大規模太陽光発電所(メガソーラー)が建設されたことがきっかけで自然堤防が削り取られた。豪雨による濁流はその場所から越水し、住宅地をのみ込んだとみられる。

【写真】宮城の渋井川氾濫、震災4年半また古川五小が避難所

 近隣住民で最後までメガソーラーの建設に反対していたのは逆井さんだった。昨年3月ごろから常総市、国土交通省の担当者らに鬼怒川氾濫の恐れを訴えた。今回の水害では同市三坂地区の堤防が決壊し、若宮戸地区で越水が発生した。

 建設場所は私有地だったが、「生命や財産を失う不安があった。それらを守る権利が国民にはある」と声を上げ続けた。しかし、同年5月には、同市石下庁舎の職員に「何かあれば自己責任で逃げてください」と切り捨てられた。「鼻つまみ者にされたんだ」。役所に味方にされず、逆井さんは地域で孤立していった。

 高さ2~3メートルの自然堤防が約150メートルにわたって切り崩された。メガソーラー建設地に自宅が面している遠藤玲子さん(59)は「自然堤防と生い茂った木々のおかげで、2階からでも昔は鬼怒川は見えなかった」という。

 逆井さんは「本当に悔しいよ」と憤る。13年11月に病気で亡くした妻幸子さん(享年60)の遺骨は今も自宅にあった。がれきにまみれた幸子さんの車いすを手に「女房を守るためにも堤防を削るなとずっと戦ってきたんだ」と涙が噴き出た。自宅には濁流が流れ込み、妻が大好きだったバラや家庭菜園も全て流された。

 近隣住民の50代女性は建設業者に脅されたという。「危ないから山を崩さないでと言ったら『あんまり騒ぐと、ここに住めなくなるよ。いいんですか』とすごまれた」と振り返る。自宅が壊滅的被害を受けた20代女性は「住民一体となって市なり、国なり訴えたい」と怒りをあらわにした。

 削られた自然堤防の代わりには土のうが積み上げられただけだった。逆井さんは「危惧していたことが実際に起こった。こうなってからじゃないと、みんな分からねえんだ」と悔やんでも悔やみきれなかった。【三須一紀

民主党政権は治水予算を20%削減 

ある報道番組の情報によると、今回堤防が決壊した鬼怒川では、24時間の降水量を300mmと想定していたという。今回、降水量は 
今市で541mmとなっており、これは今市としては観測史上最高記録で、事前の想定をはるかに超えていたことになる。 
ただし、同じ鬼怒川領域の日光では、過去70年間で、300mm以上の雨量を超えたことは、17回もあった(最高が519mm)。南北に流れる 
鬼怒川に沿って、南北の線状降雨帯があったとはいえ、日光では大量降雨が珍しくはなくなっているということだ。洪水に対する防災対策は、 
堤防などのハード面と住民避難のソフト面がある。 

筆者は公共事業について、コスト・ベネフィット基準に基づいて、必要なものは整備すべきという立場であるが、古い設計基準のまま 
堤防決壊して人命や財産が失われるのであれば、新しい設計基準による堤防工事は正当化されるはずだ。 
コストカットばかり優先させるよりも、コスト・ベネフィット基準によって必要な公共事業は行わなければならない。 

ネット上では、民主党時代の事業仕分けで公共工事が削減され、それが今回の惨事を招いたとの意見もある。前提として、堤防建設は 
長期的な河川計画に基づいて行われるので、民主党時代のスタンスが直接に影響するものではない。 

ただし、民主党時代の事業仕分けによる公共事業カットは、2010年度の公共事業▲18.3%、治水予算▲19.6%など、例年に比較して 
大きかったのは間違いない。「コンクリートから人へ」というスローガンで15%のコストカット方針が打ち出されて、適切なコスト・ベネフィット 
分析が行われないまま、ただ「予算削減ありき」となってしまったのではないか。この際、一斉点検して、今後の災害に備えておくことも必要であろう。

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