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NYダウ正念場

週末のNYダウは、11100.54(‐128.48)と大幅な反落となった。政府関連住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の破綻懸念が噴出する一方、原油が147ドルと最高値を更新したことが下げを加速した。ファニーメイやフレデイマックは一時暴落したが、ポールソン財務長官や大統領まででてきて懸念を払拭しようとし、FRBが資金提供するという報道で持ち直したが、ダウは一時11000ドルを下回った。保険大手やモルガン、バンカメ、シテイ、リーマンなどの金融機関が大幅安となっている。
日足は下ひげをひいたものの、転換線の下でさらに下値を切り下げており、明確な下降基調。週足も同様に下降トレンド。だが、週足のRCIは底に届いたので、このあたりで下げ一服になる可能性もなきにしもあらずか。月足もさげているが、遅行線が日々線とぶつかっているので、この前後が一つの節目で、ここを抜けてしまうと10801の雲の上限まで落ちる覚悟が必要だ。象徴的には、月足MACDがゼロライン近くに到達しており、これ以上さげると、2004年来プラス圏だったMACDがマイナスに沈み、長期の上昇トレンドが下降にかわり、調整は月単位に長引くことになろう。いずれにせよ、底値探りが続いており、とまった形にはまったくなっていない。アメリカの金融不安はついに住宅金融機関の国有化の是非がとわれるようなところまできていて、大きな山を迎えつつあると思われる。ここでなんとか踏みとどまればいいが、当局が対応を誤れば、ダウはさらにさげる危険がある。

原油はしばらく転換線を割って、下方向だったが、結局基準線をわらずに反発して、高値を更新。目のくらむような高値相場なのだが、どうにも下げに転じる兆候がまだでてこない。ただアメリカ10年もの国債の金利は、週末に大きく上昇し、転換線、雲をぬけて4%に迫っている。日足RCIも反転し、目先上昇に転じた可能性があり、こうした金利の上昇が、商品市場に流れ込んでいる過剰流動性の動きを変えてゆくのかどうかを見守る必要があろう。
ドル円は日足は三角持合のような形になっていて煮詰まりつつあり、どちらに離れるか、予断をゆるさない。日足RCIが底値を打って反発しており、ここからみるかぎりは、ドル高へと動きそうに思うが、週足ではRCIは天井をうっており、MACDもゼロラインまえでどうも丸まりつつあり、動きがちぐはぐである。一方月足では、RCIはドル高方向へ反発上昇中で、実際転換線をこえてきつつあり、目先は上下しても、長い目でみると、やはりアメリカの金利上昇を見越してドル高へながれてゆくような気配である。

さてわれらが日経平均は11日13039.69円(27.52円安)であった、住宅金融会社を政府が管理下に置くという報道で一時買われたが、不安を払拭するにいたらなかったようだ。アメリカの金融機関の四半期決算発表を前に様子見気分が強かったらしい。しかしその後のNYの大幅安を見て、週明けにはまた不安が拡大し、NYにつれ安してゆくことが懸念される。ただつき足でみると、日経平均のチャートは、NYよりいち早くさげて、3月には雲の下限を大きくきって一番底をつけており、今回はまだそこまできていない。基準線、転換線を割り込み、雲の中にはいって下げているので、反転上昇の雰囲気はもちろんまだないが、月足RCIも底打ちで反転を維持しており、現時点では少なくともNYのように一番底探りではなく、3月底値からの反発局面の中での二番底探りであると思われる。12538円の雲の下限あたりでとまってくれればと期待している。しかしNYの下げが予想外に大きいので、NYが節目を抜けてさらにさげてくれば、底を守れるかどうかぎりぎりの攻防になってしまうかもしれない。
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