本日も週刊新潮だったか文春だったか忘れたが、ガン死した香川元次官(財務官僚の元トップ)への賛美記事を見つけた。
香川氏への賛美がおかしいのは前回日記に書いたとおり。
この記事で聞き捨てならぬのは、香川氏を「社会保障のための増税に尽力したヒト」と評価してる点。 ここにもマスコミのデマカセがある。
社会保障のためならば増税は不要だからである。
香川氏や財務官僚OBが言うように、消費税15%、20%にする必要はなく、それが出来なけば所得増税すべきという彼らの主張もおかしい。
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社会保障の必要経費は年間1兆円ずつ増額している。
これに対し昨年2014の消費増税年(5→8%)での税収増大は7兆円もあった。
内訳は消費増税分5.2兆、所得税増収1.3兆、法人税増収0.5兆
消費増税分だけ財政支出が増えるとしても実質2.1兆円の税収増大である。
これは社会保障の年間増額を上回る。
これは何を意味するか?
景気が上向きトレンドならば、自然税収増大で社会保障費増額(1兆)をまかなえることを意味する。 2014の実質税収増大のほとんどは消費税分(0.3兆)でなく所得税・法人税分(1.8兆)だったのです。
2014は消費増税で国内景気上昇が鈍った年である。
インフレ率はデフレぎりぎりの0%へ落ち込み景気はそれほど盛りあがったわけではない。
実質GDP成長率も0%ぎりぎり。
海外景気も未だ低迷。
それでも消費増税以外の税収増大で社会保障費増額をカバー出来たのである。
これは弱いながらもプラス成長の海外景気から日本企業が稼いで来たお金が寄与している。
しかし、日本企業の利益の多くは国内からである(トヨタも「利益」の過半は国内由来)。
もし、国内がコンマ数%の実質成長ならば、海外景気失速でも社会保障増額分は十分カバーできるだろう。
国内のコンマ数%実質成長は、普通の金融政策をやっていれば好不況均しで十分達成できる数字である。 加えて海外景気の実質成長は好不況均しでそれよりかなり高い。
金融政策を普通にやってくれれば、社会保障費のための増税は必要ない。
インフレ率2%の景気中立水準を維持する金融政策ならば、増税は全く不要である。
インフレ率1%程度のサボり気味の金融政策でも自然税収増が大きくなり、消費増税は説明がつかなくなるだろう。
だから、黒田日銀は未だにインフレ率0%に張り付け続けるふざけた金融政策を続けているわけです。 黒田氏は口先と裏腹にアベノミクスの2%インフレ目標を完全に反故にし、インフレ目標政策を増税目標政策に転嫁させている。
そして、黒田氏のサボりを正当化するため、マスコミには円安デメリットのデマを宣伝させている。
金融緩和=通貨供給増大=通貨安(円安)=通貨退蔵損失拡大=金回り増大=インフレ率上昇だから、円安デメリットがあるならば金融緩和抑制、通貨供給抑制でいいとなってしまう。
ところが、2014は増税デメリットであり、円安デメリットではない。
円安はむしろ増税デメリットを抑えた。
実際には、円安=国内経済活動のコスト低下=国内経済活動の競争力増大=経済空洞化の真逆の歯車=経済活動活発化であり、円安=インフレ率増大(金回り増大)=景気上昇である(これはアベノミくス以降の経済データを見れば自明、、下記補足参照)
マスコミはそれを誤魔化し、円安デメリットと宣伝している。
マスコミがそういう宣伝をするのは、官僚の保護規制(再販制度、電波利権、記者クラブ制)で潤っているせいであり、財務省に楯突くと国税庁経由で突かれるからである(財務省と国税庁は完全分離したほうがいい)
(補足)金融緩和(通貨供給増大)による景気上昇への波及経路:
日銀から通貨供給増大(日銀の国債購入)>>国債価格上昇>>短期金利低下>>国内外の金利差拡大>>海外へ金融資金流出>>通貨安(円安)>>国内経済活動のコスト低下>>国内経済活動の競争力増大>>経済空洞化の真逆の歯車>>経済活動活発化>>現金給与総額の増大(正社員の賃金とは限らない!非正規雇用拡大でも給与総額は増える)>>消費増大>>景気上昇(インフレ率上昇)
、、、アベノミクス以降の経済データを見ても、この流れは一目瞭然。
金融緩和で国債価格が高値高止まりとなり、それが日本ほどでない海外との対比から円安が進み、そうして現金給与総額の増大が起きた。 アベノミクス以降、現金給与総額は右肩上がりである。 円高デフレ政策の民主党政権時代は右肩下がりだった。