平成相場三昧伝 別伝 昭和残影 神風異聞（参）

[ほんま そうかいさん]

うみゆかば、みずくかばね。やまゆかば、くさむす、かばね。

おおきみの、へにこそしなめ、かへりみは、せじ。

大伴家持「万葉集八十巻」　作曲　信時潔

　横山先生（仮名）は、ひさびさ孫を連れて、故郷の鹿児島縣加世田市に帰郷された。

加世田市の東シナ海に面した萬世海岸という松林の中の小さな神社に、お参りをされた。

参道を進んでいると、男の子の初孫が、中途で、ピタッと止まって、だふしても前ゑ進もうとしなひ。前を指さして言ふ。「オジイチャン。あそこに目のなひ人がゐる。腕の無ひ人もゐる。足の無ひ人が立ってゐる。」。

　

　

　

　實は、その神社は、ご英霊を弔ふ神社だった。萬生海岸には、戦時中には、陸軍の飛行場がありぬ。横山先生が、指さす方を見ると、そこには誰も居ない。両脇に石灯籠のある石段があるだけ。その奥には、特攻隊員の慰霊碑がみえる。

　そこで困ってしまったのは、横山先生。先生は、心理学の大家（著作あり。）。専門は、催眠。

普通、幽霊なんて催眠・暗示で説明できると信じてゐたのになぁ。

幼稚園児ぐらひだと催眠・暗示には、なかなか、かからなひ。まだまだ、脳が未完成。

それに事前知識として、神風特攻隊を教ゑ込もうとしても、これは無理。分かりません。

う～ん、幼児には、靈が視ゑるのだらふか。

　また「海ゆかば」を作曲された信時先生は、学徒出陣に際して、この曲が、演奏されたことに、深い後悔の念を禁じゑなかったさふだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成二十七年夏、神風異聞　了。

◎豪ドルshort・・・豪ドルは、日本人の好きな通貨（外貨預金とか投資信託とか）なのになぁ。それに賣りを立てるとは、噫々吾は、變人ならずや。ただし為替ディラーが、これから休暇を終えて職場に帰ってくれば、かならず蒸し返されますぞ。人民元切り下げが。

                                                                                        本日は、これまで。Time up.

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