【ロンドン時事】
財政緊縮策受け入れの是非を問うギリシャの国民投票を5日に控える中
英国のブックメーカー(公認賭け屋)の予想では、緊縮策への「賛成」が「反対」よりも優勢だ。
有力ブックメーカーのラドブロークスでは2日時点で賛成の掛け率が1.5倍なのに対し、反対は2.5倍。
同業のウィリアム・ヒルでもそれぞれ約1.5倍、約2.4倍で、ともに賛成に人気が集まっている。
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また現地の世論調査でユーロ残留を望む声が70%を超えていること。
さらには与党内部に国民投票の是非を巡り亀裂が生じていることなどを考慮すると
国民投票の結果は概ね7対3の大差で「イエス」票が上回るのではないかと思われます。
銀行が休業に追い込まれ、ATMも一部しか稼働していないうえに
残された現金もあと数日で底を突くという状況の中で
「ノー」に一票を投じるほど、ギリシャ国民は愚かではないでしょう。
そして、国民投票の結果、「イエス」が多数を占めれば
債権者側(EU・ECB・IMF)は早急にギリシャ支援の準備に取り掛かると思います。
但し交渉相手はチプラス政権ではなく、解散総選挙後に選ばれた新政権になる筈です。
無論「ノー」が多数を占めれば、交渉相手はチプラス政権ということになりますが
その時は債権者側が交渉を拒否すると考えています。
何故なら、南欧の重債務国が「ギリシャに続け!」となる恐れがあるからです。
ですから「ノー」は事実上ギリシャがユーロから離脱することを意味すると思います。
ところで事前の予想通り「イエス」が圧倒すれば、金融市場には一先ず安心感が漂い
株式市場も好感して株価は上昇すると思います。
しかし、ユーロ圏主要市場の株価動向を見ると、過去2年以上の長期チャートは勿論
年初に比べてもかなり高い水準にあり
ピーク時(4月)から10%前後下げてはいるものの、最近は総じて落ち着いています。
<各市場の株価チャート>
ドイツ ➡ http://jp.investing.com/indices/germany-30
フランス ➡ http://jp.investing.com/indices/france-40
イタリア ➡ http://jp.investing.com/indices/it-mib-40
オランダ ➡ http://jp.investing.com/indices/netherlands-25
スペイン ➡ http://jp.investing.com/indices/spain-35
つまり、ギリシャが緊縮財政を受け入れることになれば
株式市場はアク抜け感と同時に当面の材料出尽くしというシナリオも考えられますし
市場の関心は米国の利上げに移ることが予想されるため
少なくとも欧米市場に関して株価の反発は一過性に終わるのではないかと考えています。
しかし東京市場は6月日銀短観が示す様に、企業業績の上振れが期待出来るうえに
公的資金や余力を蓄えた個人の買いが予想されるため、第一四半期決算に向け
当面の目標である日経平均21000円を目指す可能性が高いのではないでしょうか。
但し、来週はMSQを控えていますので、週の前半は駆け引きの盛んな相場展開になるかも知れません。
因みに、私の株価予想は何時も通り殆ど当てにはなりませんが
ギリシャの国民投票は、緊縮財政受容認派が圧倒的多数を占めるものと確信しています。