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■金利上昇とREITの関係
金利とREITの関係、金利上昇リスクについて記載します。
◇金利上昇で支出が増える。
REATは投資家から集めた資金の他に、銀行等からの借り入れにより資金調達を行っているため、金利が上昇すると支出が増えて利回りが悪くなります。当然、売りたいと考える人が増えるため基準価格は下落します。
逆に金利が下がると支出が減るため、投資口価格は上昇します。
◇イールドスプレッド縮小によりREITの魅力が低下
REITは賃料収入によりインカムゲインを得る利回り商品というのが基本的な位置付けであることから、国債と比較されることが多いです。
投資家は国債とREITを比較したとき、リスクの大きいREITには、リスクに応じた高い利回りを期待します。(国債よりリスクが大きいのに利回りがあまり変わらなかったら誰も買わないですよね?)
二つの商品の利回り差はイールドスプレッドと呼ばれ、REITでイールドスプレッドと言えば、その国の10年物国債とREITの利回り差のことを指します。不動産と国債のリスク差を考えると利回り差は3%前後が適切と言われます。
金利上昇時において、REITと国債のイールドスプレッドが縮小しますので、REITの魅力が相対的に低下します。そうなると、市場で売られるようになり、投資口価格が低下します。
投資口価格が下がると、分配金利回り(分配金/投資口価格)は上昇するので、イールドスプレッドは拡大します。結果、イールドスプレッドが戻り、投資口価格の下落が収束します。
金利下落時はイールドスプレッドが拡大するので、J-REITの魅力が上昇、投資口価格上昇、が分配金利回り低下、イールドスプレッド縮小、という流れとなります。
実際、イールドスプレッドは概ね3%を境に変動しています。
◇金利上昇時に米国REITが上昇
REITの投資口価格は様々な要因で変動するのでら金利動向が全てではありません。以下のレポートでは、REITと金利の基本的な関係を認めつつも、米国REITが金利上昇時にも良い成績を残したことを説明しています。
→過去から学ぶリート、インフレ、金利上昇について
REITは景気との関連性が強く、金利上昇時でも景気が上向き、ファンダメンタルズ良好であれば良いパフォーマンスを出せるとまとめてます。
景気回復により賃料収入が上昇すれば、分配金利回りは上昇するので、金利が上昇してもスプレッドが縮小しないので、投資口価格の下落を招かないというのも理解できます。
◇日本の金利上昇リスク懸念
2014年から2015年1月までに日本の長期金利は0.2%を切るまで下落しました。これが東証リート指数の上昇に影響しました。
今後についてですが、金利は落ちるところまで落ちたと言えます。そのため、今後の金利は上昇するかキープするかです。
金利が上昇すると、投資口価格の下落を引き起こす要因となるので、J-REITは価格の下落が懸念されます。
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