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上値が重いようだ

 しばらく株式市場が順調に上昇していたこともあって、マーケットのメモも休んでいたが、アメリカの利上げが近くなって、波乱含みになってきたので、久しぶりに心覚えにメモを書くことにした。


3月13日の日経平均の終値は19254で、大きく窓をあけて商いも伴って上昇した。基準線、転換線の上で、パラボリックも上向きに変わり、MACDもシグナルを上に抜け、ボリンジャーも広がっていて、上値の抵抗線を抜けたようにみえる。しかし16日の日経平均は、19246で典型的な卒塔婆の足で、上値が重いことがあきらかになった。窓をすでに二つも開けかい離率が9%に近付いていることが気がかりではあるが、週足も基準線、転換線の上、パラボリックも上昇、MACDも上昇し、一応依然上昇局面にある。

 それでは日経平均は新たな長期的上昇局面に入ったのだろうか?日本の株式市場のトレンドだけみているとそうみえるのだが、筆者には心配なポイントがいくつかある。一つは為替の動きである。ドル円相場は122円を前にして上値をぬけるような動きにはまだなっていない。むしろ週足のボリンジャーバンドは狭まりつつあり、週足のMACDもなだらかな下降から脱していない。アメリカの利上げが日米金利差を拡大して、さらなる円安を呼び起こし、それが日本の輸出企業の収益を改善して、日本経済を活性化する、というのが日本の株式を買う人々のシナリオだとすれば、それは現実には起こっていないことにある。なぜなのだろうか?一つの可能性は、株よりもはるかに規模が大きく、実需が根底にある為替市場では、アメリカ経済の好調と将来の利上げはすでに相当に織り込まれてきている、ということではないだろうか。もしそうだとすれば、ドル円相場がさらにどんどん円安に進むことは考えにくい。一気に円高に逆転することはないにしても、このあたりが当面天井になりそうな気配である。


もう一つの懸念は、NYの下落である。利上げへの転換は、当初は大きな幅ではないにしても、局面の転換を意味するので、株式から債券への資金の移動が始まり、金融相場であげていた株式市場は一端は下落する可能性が高い。どれくらい下落するかはわからないし、経済の好調が続けば、業績相場に移行して、やがて株も復調するであろうが、過去の例からみても、数か月か半年は調整する可能性が高い。当面NYの株はピークアウトしたとみるべきではなかろうか。ではNYが下落しても日経平均はそれとは逆に上がり続けることができるであろうか?可能性はないとはいえない。日本の経済が、人手不足から賃金が上昇し、内需主導で拡大してゆくというのであれば、NYと関係なく東京の株を買う人がいるかもしれない。しかし為替相場の動きが伴わないとすれば、経済の好循環がどんどん拡大してゆくことが本当に可能だろうか。

というわけで、筆者にはあまり手放しで楽観できるようには思えない。3月はいろいろな買い手がいるようだが、4月には買い疲れがくる可能性もあるような気がしてならない。
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