原油日記を書いていたら、思いのほか長くなってしまい、前篇後篇に分けさせて頂いたものの、前篇に貴重な鋭いご意見を頂いてしまい、リコメが後篇で書こうと思った内容と一部重複してしまった(要するにネタバレな)点はお許し下さいませ…(^^ゞ
さて、日記前篇で述べさせて頂いたように、石油メジャー、原油産出国、消費・流通大国、シェール業者、ヘッジファンドなどなど、世界各国で魑魅魍魎な輩が暗躍し、色々な思惑が交錯する原油市場はボラティリティが大きく個人が投資するには手を出しにくい市場かと。ただ、ボラが大きいということは、少額で案外旨味を享受できる場合もあり、かつ株式や為替と少し動きが異なるので、リスクヘッジ先にすることも出来ましょう。そこで幾つか留意点を述べてみたいと存じまする。
1.投資する先は原油ETF(1671、1699)とする。
最低¥5,000くらいから投資出来、これらが一番敷居が低い商品かと。手数料もNISAなら無料の証券会社もござりまする。信託報酬は1699の方が安いものの、1671の方が出来高が大きいので流動性は上。ただ、よほど多額を数年に渡る長期間つぎ込むのでなければ、信託報酬は(いずれも1%未満なので)そこまで気にする必要はないようにも思いまする。
2.とにかくWTI相場が安い時に、分散して買う。
「何を当たり前のことを言っているのか」とお叱りを受けそうですが、これが実は一番難しい(笑)具体的には添付のチャートをご覧頂きたいのですが、WTIは上がるときは5年くらいのスパンで上昇し、下がる時は1年で一気に下落しております。WTIが大体$40~50の範囲で、少額を何回かに分けて買えば、そんなに大怪我をする確率は低いと申せましょう。繰り返しますが一度に買うのはご法度。たとえばWTIが$20~30に下がった時、そこでさらに買い増し出来るよう、資金は常に残しておく必要がござりまする。
3.期間は3~5年の長期スパンで投資する
上記と重複しますが、すぐに利益を得ようとしてはダメ。個人投資家最大の強みである、期間を自由に決められることを最大限活用すべき商品かと存じまする。積立預金のつもりで臨まれるのがよろしいかと。そして、WTIが$100を超えたら迷わず売られるのが吉かと存じます。もっとも今後$100を超える場面があるかと問われれば、ちょっと怪しい気もしておりますが…(^^ゞ
この先、原油相場は更なる下落要素がまだまだあるも、そろそろ底が近いようにも見ておりまする。ひとつはETFの出来高が増えてきていること。つまりは、市場の多くの人が「買ってもいい」範囲の価格帯になってきていると申せましょう。あとは実需が増えてくるかどうか。特に中国、ロシア、欧州の動きは要注目かと存じまする。
もうひとつの理由は、経済誌2誌が揃って原油安特集を組んでいること。これは実は重要な指標で、マスコミの扱いが大きく、かつ記事が増えてくると、案外そこが相場の転換点になることが多く、ここも注目かと。
最後に、大底はどこなのかを考えてみると、拙者意見は「半値八掛け二割引き」と見てまする。前回の原油バブル崩壊時($133→$39)のケースでは計算上は$42.56。リーマンショックの影響で大きく下がったことを加味して考えると、案外近い線かと。
よって今回の大底は、$107の半値八掛け二割引きで、$34.24。本当にここまで下がるかはともかく、最悪の場合を想定しつつ、相場を見ながら少しずつ買って行きたいと思っておりまする(^^