株育男さんのブログ
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金融相場から、業績相場への移行過程で…
アベノミクス!株高! …のはずが、あれっ??
アベノミクスの号令で始まった金融緩和を後ろ盾にした株高=「金融相場」。
実体経済の成長を期待して、日経平均は15000~16000円のボックスで高止まりしておりました。
アメリカ経済の好調を後ろ盾に、日本経済も復活するのでは、と一時は大いに期待されました。
そしてさらには、GPIF改革での株高支援への期待。
金融相場から、切れ目なく業績相場へと移行できれば、政府の目論見どおりだったのでしょう。
しかし、ここにきて暗雲が…
三尊天井のようなダウのチャート。アメリカの利上げ議論。
頭をよぎるサブプライムショック相場(2006年)。
しかしまあ、金融緩和は米だけだけでなく、日本も欧州もやっておりますので、
今すぐ深刻なバブル崩壊にはすぐには繋がらない、と思ってはいますが。
心配事が増えてきた実体経済についての世界情勢をサクッとおさらいしてみましょう。
米 … 好調が続くも、通貨高がじわりと響き勢いに陰りが?? 利上げ議論も焦点に。
中国、欧州、日本、新興国などが揃ってイマイチなため、
「アメリカの一人勝ち!」なんていう能天気な喜びの声が聞こえてくるも、
結局、アメリカも貿易相手国の景気が悪けりゃ足を引っ張られ。。
欧 … 日本のバブル後と一緒で、金融緩和するもデフレ。打つ手無しの恐怖が迫る。
「ドイツの一人勝ち!」なんていう能天気な喜びの声が聞こえていたけども、
結局、ドイツも貿易相手国の景気が悪けりゃ足を引っ張られ。。
中 … もうずいぶん前に調整局面入りし、底で安定しているような様相。
かつて中国が牽引した資源高も、今や昔話に。
香港民主化デモの行方に注視。
新興国 … かつての勢い全く無し。ロシアはアレになってしまった。
ブラジルなどもオリンピックやる国の景気かよ、っていう具合。
この数年間で期待の星だったのが戦力外にまで存在感が低下。
日本 … 金融緩和中。年金も動員しての株高政策実施中。
しかし、円安デメリットを予測できなかったという大失態。
(とはいえ、国際収支はバランスが取れはじめ、
為替変動の影響を受けにくい状況になりつつある。
円安メリットについても、かつてほどの重みがなくなっている)
そして、伝統的に内需大国なのに(GDPの内需が占める割合)、
「日本は貿易大国」という過去の栄光が忘れられない官民が多数、
税制を主に内需軽視の経済政策をごり押し。
その結果はこんな感じに数字に表れています
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NCOS3N6LUTXH01.html
国民の消費マインドはアベノミクス前より悪い気がしますし、
次に消費増税する際は、今度は駆け込み需要も起きなさそう。
というわけで、まとめると金融相場は大成功も、業績相場への移行が危ぶまれる状況。
その他 … イスラム国。エボラ熱。
さて、足元の日本の株価ですが、
金融相場で上昇したはいいものの、景気の先行きに対する判断が揺れてきたようです。
株価とは、3ヶ月先・半年先の企業業績の成長性を反映するものですが、
業績の先行きが不透明となれば、いったん調整するのは避けられなさそうですね。
株価は高ければ高いほど良い、という主義の方も時々お見受けしますが、
根拠のない株高は、災厄をもたらすものです。
サブプライムショックやリーマンショックは、実体経済にも深い傷を残しました。
根拠を失った株高には与しないのも、立派な見識かと。
調整局面というのは、欲しかった株が安く買えるチャンスでもありますので、
株の買い方は大いに歓迎いたしましょうよ
(私なんて4ヶ月も待ちました!! …なので、今さら急ぐこともないけど)
あと、GPIF改革のことを絡めて考えると、
GPIFが買い出動する前に株価が調整して安くなっていることは、
広く国民の利益になることです。
株安の効能も忘れずに、ね♪
VIXもじわじわ上がってきていて、投資マインドも赤の傾向にあるようです。
ご指摘のように、世界的にも、良い話よりも悪い話のほうが多いので、ここからは慎重に進めたほうが良いでしょうね。
私としては、日経平均で1万2千~7千円くらいのレンジで推移すると想定して下がったら買いたい銘柄を決めておこうと思っています。
ストアナさんはかなり下のレンジも想定されているのですね。
私も下がったら買いたい銘柄を決めておこうと思ってます。
こんど、ストアナさんの狙いの銘柄をこっそり教えてください!!
(そして、自分達が買った後で、
みんかぶにダミーアカウントを作成しまくって、
買いPicksを乱立して買い煽りましょうか!?(笑))
>しかし、円安デメリットを予測できなかったという大失態。
これ、本当なんですか???
先の円高時、輸出企業は地産地消を進め、為替のリスクを回避することに努めてきました。
一方、内需関係は円高メリットを堪能したはずです。
この結果より、円安メリットが少なくなるのは承知のはずと思われますが・・・
>貿易相手国の景気が悪けりゃ足を引っ張られ。。
この辺りが効いているように思います。
>そして、伝統的に内需大国なのに(GDPの内需が占める割合)、
「日本は貿易大国」という過去の栄光が忘れられない官民が多数、
税制を主に内需軽視の経済政策をごり押し。
これが現状ですか・・・
日経平均は結局、米国に連動しているのかと?
(NASDAQは9月半ばから売り長の様相)
鋭いツッコミありがとうございます
> これ、本当なんですか???
> この結果より、円安メリットが少なくなるのは承知のはずと思われますが・・・
実は、円安デメリットに「気が付いていなかったフリ(演技)」で円安を推し進めたのではないか、と私は分析しています。
貿易赤字と経常黒字がうまいことバランスしているので、
日本国全体でみると為替変動のインパクトは大きくありません。
内容を細かく見てみると、
円高メリットについては主に輸入企業、内需や一般家庭が享受しましたが、
円安メリットについては、主に海外に連結子会社を持つ企業や、外貨建ての資産を持つ富裕層が享受します。
つまり、円安は(悪い言葉で例えますが)
「貧乏人をより貧乏に、金持ちをより金持ちに」します。
イオンやマクドナルドの大苦戦も、円安デメリットも関係していると思います。
そして、GDPの大半を占める内需については、
給与生活している世帯の可処分所得の推移を見ると非常に現状も先行きも厳しいです。こんな厳しい数字が出てても、来年に消費増税したいようですし。
一方で、海外からの配当がある大企業や富裕層については、
まあこれからもいろいろと政府が優遇措置を考えてくれるとのことなので、
ますます国内で金を使わずに海外資産を買うことに金を使うことになると思います。
> 日経平均は結局、米国に連動しているのかと?
何に連動するのかは難しいですが、
資金が流入する・流出するという相場の動きは、世界共通の部分が大きいと思います。
絶対的な株価水準については、日本企業の1株利益と、日本経済の成長性、金利の3つが主要因になるのかと思います。
それぞれ「経済の流れ」としては関係しているものの、
短期の株価の動きは全く別の要因が絡んでくるので、どっちが相場を引っ張っているとも言いにくいです。
短期の動きについては、それこそ海千山千の世界なので、まあ私があれこれ推測しても役には立ちそうもないです
我われ個人投資家は、「株は資産だと思って買ったら二度と株価を見ない」か、
中長期の株価水準と短期の株価に乖離が生じた時に売買する、
のどちらかに態度を決めれば、どんな相場が来ても動じないと思います。
ある程度の円安は想定していたと思うのですが、
1$110円に接近すると要人からの為替レートへの発言が増えたことから、
現在の水準は想定以上だった可能性が高い、と思っています。
なぜ、想定以上の円安になってしまったのか、
為替のことは非常に難しい世界なのですが、
こちらのコラムに「インフレに賃金上昇がついてこなかったこと」の影響が示されています。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKCN0HW0I720141007?pageNumber=2
賃金上昇は建設業などの業種に限ればかなり上昇していると思うのですが、
おそらく、定年間際の高所得層がどんどん退職し、
かわりになる中年層・若年層が手薄になっているのが主原因かと思います。
その分、企業の人件費は減っているので、短期的な業績の改善には繋がるでしょう。
株価は「本企業の1株利益と、日本経済の成長性、金利の3つが主要因」で理論株価が形成されているはずですが、
ですが、
企業利益の増加が株価上昇に繋がらないことがあります。
現在、日本企業は史上最高の利益を上げた会社がけっこうあります。
にも関わらず、株価がちっとも上がらないことに苛立っている人がいるようですが…
「史上最高」の利益といいますが、その1回前の「史上最高」はいつあげたのか、
調べてみるといいです。
おそらく、2006年か2007年に史上最高益をあげた会社が多かったはずです。
そして、2006年や2007年のチャートを見てみれば、
いかに、1株利益と株価は無関係に動くか分かると思います。
※中長期的には、冒頭に挙げた要因で導かれた理論株価の近辺に落ち着きますが…