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地政学リスク

7月18日の日経平均は15215.71(-154.55)と久しぶりに大きく下げた。日足では窓をあけて転換線を切り、基準線15160も一時きったが、引けではようやく保った形。週足は基準線転換線の上で、雲の上限15212がサポートになっているところ。ただし月足は基準線転換線の上だが、パラボリックが下向きで覆いかぶさっておりまだ完全な上昇基調にはなっていない。


短期中期は回復基調を維持しているものの、長期の上昇基調にはまだ完全にスイッチが入っていないところに、ウクライナでの民間機撃墜のニュースが飛び込んできて、地政学的リスクに気づかされた格好だ。マーケットは、イラク、シリア、そしてウクライナなどの地政学的リスクに目をつぶった形で回復上昇してきたが、やや楽観的に過ぎるきらいがあったことは否めない。シリアは言うまでもなく、イラクも泥沼どころか、テロリスト国家が誕生するかもしれない危機にあり、ウクライナでは、どうやらロシアが地対空ミサイルまで親ロシア派のセパラテストに提供している事態となっている。アフガン、イラクの失態のあと、アメリカの軍事力が絶対的にも相対的にも低下し、紛争が各地で暴発する形になってきているからだ。


しかしアメリカの消費者信頼感指数や、鉱工業生産指数、設備稼働率や失業率は、ゆるやかながら改善を続けており、純粋な経済面から見ると、世界景気の回復基調は変わらないように思われる。その意味では、リスクをおそれながらも、本格的な東西の軍事衝突にならなければ、底は徐々に固まってゆくのではないか、と期待したい。
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