シャドーバンキングに対する考察
① 中国人(民間人)も危険なものに手を出している認識はある
② しかし、インフレによる資産の目減りがきつく投資をせざるを得ない
③ 「自分は大丈夫だろう」「(4大)国有銀行で買っているから問題ないだろう(暗黙の政府保証)」という中国国内のムードがある
④ 中国リスクを日本でヘッジするため東京市場で売りが続いている
まとめると上記のような結論だ。
先日中国のシャドーバンキングについて知り合いの中国人投資家(A)にヒアリングしたら、ちょうど彼女も中国の友人(B)に近況を聞いた直後だった。
その中国在住の友人Bは上に書いたように、買っている理財商品の危険性を把握していたそうだ。しかしデフォルトしたことがないこと、4大銀行への安全神話(暗黙の政府保証)、償還期限が短いものでリスク管理していることなどを理由に「大丈夫だろう」と話していたと言う。
Aは日本での生活歴も永く、銀行が時としてつぶれること、国が時としてあてにならないことから、「投資しない方が良いと」諭そうとしたが
Bはインフレがきつく銀行預金では資産を減らしてしまう。多少のリスクは覚悟してでも利回りのいいものを持っていなければならないとAの言うことは聞かなかったそうだ。
この問題を中国政府はどのように解決するのかわからない。
もしかすると、騒いでいるのはヘッジファンドの良い売り材料にされているだけで、シャドーバンキング問題は表面化せず、時間がたてば誰も言わなくなる可能性もある。
しかし一歩間違えれば非常に危険な状態にあることはまちがいない
1月25日付けの中国証券報によると、約1兆3000億元(約22兆円)規模の信託商品が年内に償還を迎える見込みとなり、そのピークは4~9月だという。