NY株急落、断ち切れるか新興国の「伝染」

\ あなたにピッタリの銘柄がみつかる /

みんかぶプレミアムを無料体験!

プランをみる

お知らせ

読み込みに失敗しました。

しばらくしてからもう一度お試しください。

重要なお知らせ すべて見る

そら豆の株予報さんのブログ

最新一覧へ

« 前へ58件目 / 全474件次へ »
ブログ

NY株急落、断ち切れるか新興国の「伝染」

 新興国発の世界株安は、地球を一周してもまだ止まらなかった。24日のニューヨーク・ダウ工業株30種平均は大幅続落し、下げ幅(318ドル)は昨年6月20日以来の大きさ。新興国で事業拡大を狙うゼネラル・エレクトリック(GE)やボーイング株などに売りが膨らんだ。

 経済基盤が脆弱(ぜいじゃく)な国の通貨の急落をきっかけにリスク回避が世界に連鎖するさまは、昨年半ばのビデオを見るかのよう。「コンテージョン(伝染)」。2012年までのユーロ危機や1990年代後半のアジア通貨危機の際に市場を飛び交った言葉が、再び関係者の間でささやかれ始めた。

 今回震源となったアルゼンチンペソの対ドル相場は年初来で2割下落。24日は引きずられるようにトルコリラが連日で過去最安値を更新、ロシアルーブルと南アフリカランドはほぼ5年ぶりの安値を付けた。米市場に上場する代表的な新興国株ETF(上場投資信託)「iシェアーズMSCIエマージング・マーケット」は5カ月ぶりの安値に沈んだ。

 背景にあるのは、米連邦準備理事会(FRB)による量的金融緩和(QE)の縮小見通し、新興国の政治混乱、中国の景気不安の3つだ。米国の金融政策が新興国からの余剰マネー流出の一因になった点は昨年半ばと似ているが、状況は当時より悪化している恐れがある。

 まず昨年はまだ観測にすぎなかったQE縮小が、すでに現実のものとなった。28~29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも追加の縮小が決まる可能性がある。トルコの汚職疑惑やタイ、ウクライナの抗議デモなど政局は今の方が不安定だろう。さらに中国の製造業景況感悪化にみられるように新興国経済全般に影が差している。

 今のところ、米市場や産業界は悲観一色ではない。米国内の底堅い景気や企業業績が株安の歯止めになるとみるためだ。24日に増益決算を発表した機械大手ハネウェル・インターナショナルのコート最高経営責任者(CEO)は「世界経済を用心深く見ていくが、当社の今年の業績見通しについてはますます自信を深めている」と述べた。

 急落した新興国市場にも「長い目で見れば買い」(ゴールドマン・サックスのブランクファインCEO)と潜在力を評価する声が出た。ベトナムやフィリピン、ケニアなど年初来、株価上昇が続いている国は実は少なくない。

 株価変動への投資家の不安感を映す「恐怖指数(VIX)」はこの日32%急上昇し18台を付けたが、先物価格をみると3月物は16台、6月物は17台と先行きの方が低い。投資家心理は比較的落ち着いている。

 ダウ平均は昨年半ばに動揺した局面で約750ドル値下がりした。これに対し今週の下落幅は約580ドルだ。売りの連鎖を断ち切り、前回並みの調整で収まるかどうか。「議長の交代期に市場が波乱に見舞われやすい」というジンクスに挑むイエレンFRB次期議長らにとっても正念場を迎える。

<日経電子版より>
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。

ネット証券比較

みんかぶおすすめ