個人投資家にアンケートをすると、株を買う目的は、配当などのインカムゲインより、値上がり益を取るキャピタルゲイン狙いであることが紹介されている。
言うなれば株式投資とは、自分が買った株を、より高い値段で誰かに肩代わりさせることに他ならない。
ここで問題になってくるのが流動性である。
ウォール街の昔話に商いの少ない(流動性のない)株を買った男の話がある。
まず彼が5ドルで1000株買ったところ株は6ドルに上昇した。
更に1000株買ったら8ドルに上昇した。
すっかり気を良くした男は、更に買い増しを続けてところ株価は12ドルになった。
男は天にも昇る気分であった。
資金も2倍になったことだし、そろそろ売ってもいいだろうと証券会社に電話すると、「一体だれに売るのかね?」と担当者は聞き返したという。
笑える話だが結構怖い話でもある。
現在の日本でも分不相応な大金を流動性の低い新興市場で振り回す個人投資家や同一銘柄に集中投資する機関投資家、投信を売りまくる証券会社、どれも流動性の罠に嵌る危険性があるのだ。