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ドルが上昇後に値を消す展開









ドルが上昇後に値を消す展開、緩和縮小の思惑が変動=NY市場


15日終盤のニューヨーク外為市場では、朝方上昇したドルが幅広く売られる流れに転じた。この日発表された米経済指標が強弱まちまちの内容で、米連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ(量的緩和)縮小時期をめぐる思惑が揺れ動いたことが背景。

当初は米新規失業保険申請件数が予想外に減って6年ぶりの低水準となったことや、7月米消費者物価指数(CPI)の前月比上昇率が市場予想通りだったことを受け、FRBは想定よりも早めに緩和縮小に動くとの見方が広がって、ドルが押し上げられた。

しかしその後に発表された8月のフィラデルフィア地区連銀業況指数が予想を下回り、新規受注の落ち込みや雇用の鈍化を示すと、ドルは値を消す展開になった。

BNYメロン(ニューヨーク)のグローバル市場ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「(ドル売りは)非常に薄い取引の中で起こった。ユーロに対してだけでなく、全面的な動きだった」と指摘した。

ユーロ/ドルは一時約2週間ぶりの安値となる1.3205ドルまで下げたが、終盤には0.70%高の1.3348ドルに持ち直した。ドル/円も午前中に1週間余りぶりの98.64円をつけたものの、終盤は0.93%安の97.22円で、1%以上下げて97.09円まで売られる場面もあった。

米国株安や米国債の値下がりがドル安につながった面もあった。米国債が売られて利回りが上がると、長期的にはドル資産の魅力が高めることになる。しかし今のところは、FRBによる買い入れ規模が減ってしまうとの懸念から外国人投資家の売りに見舞われ、米国債の地合いはかつてないほど悪化している。
ただ、FRBの緩和縮小をめぐっては、セントルイス地区連銀のブラード総裁が14日に行った発言で一段と不透明感が強まった。総裁は、量的緩和を過度に積極的に縮小してしまうことへの警戒感を表明し、9月に緩和縮小を開始するかどうか自らはまだ決めかねていると述べた。



RBCキャピタル・マーケッツ(ロンドン)の為替戦略グローバル責任者、アダム・コール氏は「ドルの売買が交錯するこうした状況は、市場がFRBの緩和縮小についてある程度確実性を手にするまで、しばらく目にされるだろう。そして恐らく、FRBが実際に緩和縮小を発表するまで事態は変わらない」と述べた。

 

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