おはようございます。
本日の東京市場は昨日と同様に世界的なリスクオンへの回帰の影響を受けて、大幅続伸して終わっています。
そのため、本日は恐らく機関投資家による月末のドレッシングが不要と判断され、行われなかったと推測されます。
むしろ、それを逆手に取られて自動車メーカー、大手電機メーカー、大手総合商社、大手保険会社、三井・三菱グループの主力企業といった国内機関投資家が大量保有している銘柄が14時台後半から大引けに掛けて急速に売り込まれて下落しており、あたかも売り方が自分の空売りの価値を高めようとドレッシングの売り!?を行ったように見える部分すらあります。
これらの最後の売りを仕掛けられた銘柄に共通する点として、特に最近の株価上昇が急激だったために利益確定が生じやすかったとか、逆に上昇率が最近の平均的なものより極端に悪いから乗り換えの対象に成ったとか、為替相場の変動の影響を受け易い銘柄であるとか、といったものは特に見受けられません。
後ほど詳細は別途見て参りますが同業種で見比べてみても、より為替変動に弱い銘柄がそこまで落ち込んでいなかったり、三井・三菱などの大手グループが他の資本系列より売り込まれていたりすることから判る通り、その時間帯で進んだ直近との比較での円高ドル安と株価指数先物価格の下落は単に手掛かりとされただけで、本当の理由とは考え難いと思われます。
また、日経平均寄与度が高い銘柄の多くが大引けの際に少し値を戻しているにも拘らず、ここで上げた銘柄は日経平均寄与度が高い銘柄であっても大引けで売り方が売り勝つ形でさらに値を落としたり、低いままで終値が決まっており、日経平均寄与度の攻防に伴う売り仕掛けでもないようです。
今年のアベノミクス相場で上昇した局面で日本大手機関投資家である大手保険会社や大手企業グループが買い増して株価上昇に参加するのではなく、逆に売り越して上昇による利益確定に走っていることへの警告のつもりなのか、それとも優良銘柄であるこれらを今日の様に大幅続伸した日に安値に留めることで業績相場への移行を睨んで買い叩こうとしているのか・・・正確な理由は不明ですが少々違和感を感じる下げが終わり頃に生じたことに不気味な雰囲気を感じるのは私だけでしょうか?
四半期末に伴うドレッシング買いが入らなかったことで、来月初めかつ来週初めの相場がその剥落で下落するリスクが生じなかったのは良かったと思いますが、一部銘柄での不気味な売り仕掛けが今後どのような形に発展していくのか気になるところです。
なお、東証終了後の日経平均先物の相場を見ている限り、東証の終値から極端に売り込むような動きは現段階では見られません。
日本時間23:30(シカゴ時間10:30)に下落しているのは、東証の終値が高すぎたことを理由にしているのではなく、ほぼ同時間帯23:15(シカゴ時間10:15)でシカゴグローベックスのダウ平均先物価格が下落していることと並行して生じ、日本時間4:55(シカゴ時間14:55)に下落しているのは、ほぼ同時間帯でシカゴグローベックスのダウ平均先物価格が下落していることと並行して生じていますので、海外の株価に左右される展開が続いているだけと考えて良いと思います。
NYダウが14,909.60ドル(前日15,924.49ドル、前日比-114.89(-0.76%) 、15,924.49ドル、前々日14,910.14ドル、前々日比+114.35ドル)と前日比で下落して前々日並みに戻っていますが、その影響を受けて下落しても尚東証終値比え僅かながら続伸となっています。
こうした点からみても判る通り、昨晩のシカゴ日経平均先物(円)はシカゴ時間16:00(日本時間6:00)で13,700円(前日13,395円、東証終値比+23円)、シカゴ日経平均先物(ドル)はシカゴ時間16:00(日本時間6:00)で13,840円(前日13,525円、東証終値比+163円)でその頃のドル円が98.2円(前日98.4円)くらいでしたから、為替はシカゴ日経平均終値の頃より0.2円の円高ドル安で、かつNYの日本株ADRは東証終値比で僅かながら上昇していますので、来週月曜日の東京市場の株価が僅かながら続伸するかほぼ横ばいで始まるものと思われます。
なお、シカゴ日経平均先物の出来高は約47,000と前日と前々日(約55,000)、6月25日(約67,000)よりも薄商いの形になっていますので、東京市場も薄商いは続くのかもしれません。
では、その他の東京市場の流れを確認して参りましょう。
本日の東京市場は昨晩のシカゴ日経平均先物終値13,395円にさや寄せする形よりも前日の東証終値13,213.55円から大幅上昇で始まりました。
本日は昨日の大幅な上昇に加えて欧米などで株価が上昇したせいか、香港や上海の市場が開いた後に下落に転じる恐怖心がなくなった模様で、9時台から大きな下落もなく何度かの買い仕掛けと見られる先物での出来高増加のたびに上昇しています。
10:00頃に先物の出来高が朝の寄付きよりも急増したタイミングで株価の上昇を意味する赤の線の直ぐ直後に青の線が並んでいることから判るように、この時間帯には売り方と買い方の両方の仕掛け的な売買が交錯した模様で、それ以降は11:00頃まで一進一退を繰り返してほぼ横ばいの状況が続きました。
この時間帯はシカゴグローベックスのダウ平均先物などがほぼ横ばいとなっていて、かつ香港や上海などの中国株式市場の様子見でお互いに動きにくかったものと推測されます。
その後香港市場などが上昇し始めたことを確認したからか、11:00過ぎから2度ほど買い仕掛けと見られる先物の出来高増加と共に価格が急上昇しています。
この11:00(シカゴ時間21:00)過ぎの時間帯には実はシカゴグローベックスのダウ平均先物も中国株式市場の上昇の影響からか急激に上昇しており、このことも世界的な株価上昇を想起させて買い方の強気を支援しているものと推測されます。
また、ドル円相場も10:50頃からシカゴグローベックスの先物へ何度か円売りドル買い的な出来高増加と共に急激に円安ドル高となって99円弱まで一時上昇したことも11:00以降の日経平均急上昇を支援したようです。
後場に入ってからも比較的堅調な展開が続いていましたが、先物の売り仕掛けを受けて14:37以降に急速に上昇幅を縮めていますが、14時台に後場が始まった香港のハンセン指数が弱含むと同時にシカゴグローベックスのダウ平均先物の価格も下落、ドル円相場もやや円高ドル安傾向になったことを受けて売り方が少し強気に転じたことが影響していると推測されます。
さすがに大引けそのものやその少し前の時間帯に日経平均先物や日経平均寄与度の高い銘柄を中心として出来高が膨らむ形で激しい攻防が繰り広げられて少し値を戻して終えていますが、先に述べたように一部の銘柄ではむしろ大引けで売り方が買って一段と値を崩しており、銘柄などによって売り方と買い方の優位性が異なる大引けとなっています。
この様に本日の相場も全体としては昨日と同様に中国株式市場もシカゴグローベックスの先物も日経平均の上昇を支援する材料を提供する形となっており、これらの点からも本日も昨日同様に大幅続伸して終わることが出来たともいえそうです。
なお、本日は日経平均が前日比+3.51%となったの対して、TOPIXが前日比+3.19%、東証1部時価総額が前日比+3.17%で値上がり銘柄1,602(93%)で極端に日経平均が偏って牽引することなくと東証の大型株はほぼ全面高となっています。
また、大証1部時価総額が前日比+3.72%、JASDAQ指数が前日比+3.42%、マザーズ指数が前日比+5.80%となっていますから、今日は東証1部などの大型株のみに偏ることのない上昇にもなっているという面でも全面高といえそうです。
なお、売買代金で見ると、東証1部が前々日の1.91兆円から前日の2.11兆円そして本日が2.61兆円、大証1部が前々日の341.38億円から前日の393.87億円そして本日が555.21億円と増加して薄商いが徐々に解消される傾向にある点も心強いかもしれません。
小型株や新興株が主体のJASDAQはスタンダードが6月25日の760.57億円、前々日の970.30億円、前日の1,012.26億円、本日が758.57億円、グロースが6月25日の84.73億円、前々日の96.43億円、前日の168.09億円、本日が66.91億円となっており、何れも3日間連続して増加したあと本日は東証や大証の大型株とは反対に本日は出来高が減少しています。
このように小型株や新興株が株価が回復したのに売買代金が低調な薄商いとなったということは、昨日までのセリングクライマックス的な投売りが終わって相場が反転し始めたものの、そこで資金を失ったり、含み損を抱え込んで動けない個人投資家が増えていることを示しているのかもしれません。
この後は別途コメントの形で主要銘柄や中国株式市場、シカゴグローベックスの先物、先に述べた大引けの辺りで急落させられた銘柄などを見てまいりたいと思います。