今日の日経平均はなんと2008年10月以来の値上がり幅となる前日比600円を超える終値となった。
朝型の寄付きからの基本的に右肩上がりであったのは、普通に考えれば良い形といえそうである。
また、先週末のやや強引な日経平均のチャートの維持に関連して買いあがられていたファーストリテイリングとファナックという日経平均寄与度が上位となることが多い銘柄は一時値下がりに転じていたが、その間も日経平均はほぼ横ばいを保っていたほか、日経平均の寄与度が高めであるとして先週末の大引けに朝の寄り付き並みかそれを超える出来高を記録した銘柄は上昇率が鈍く、先週末の株価形成の歪みを修正する形になったこともプラスと言えそうである。
そして、前場の引けの段階でファーストリテイリングとファナックという日経平均寄与度上位常連銘柄が値下がりしていたことから、後場に売り仕掛けが入ることを警戒する…というランチタイムの解説も杞憂に終わっている。
日経平均先物やTOPIX先物の出来高とチャートから分析すると、後場を含めて実は出来高が増えたタイミングでは今日は値上がりした場面が多く、仕掛け的な売りではなく、仕掛け的な買いが見られた…という方が適切と考えられます。
念のため調べてみたら、2008年10月に於ける前日比600円を超える上げ幅となった日は、なんと2日もある。
10月30日の817.86円と10月14日の1,171.14円である。
10月30日は朝の寄り付きの8,269.71円がその日の最安値、大引けの9,029.76円は最高値の9,030.85円とほぼ同じであり、ひたすら右肩上がりの1日だったのである。
これは10月14日の場合も同じで、朝の寄り付きの8,407.94円がその日の最安値、大引けの9,447.57円は最高値の9,455.62円とほぼ同じであり、こちらもひたすら右肩上がりの1日だったのである。
しかも両日共に前日比の値上がり幅のほとんどが当日の日中の値幅であるから、デイトレードで朝の寄り付きは買いで入り、大引けに売れば大変な収益を上げられたことになる。
また、10月14日の場合は前日まで7営業日連続で値下がりしており、その間の値下がり幅は実に-3,091.83円で-27.20%下落した後の反騰であったが、1営業日前の10月10日の朝の寄り付きは9,016.34円で終値が8,276.43円となっていたため、朝の寄り付きでのみトレードする個人投資家は10月14日の朝の寄り付きの低さに驚いて続落と勘違いして売っていたら損していた形となっている。
そして、10月30日の場合は10月22日から27日までの4営業日連続で毎日200円以上値下がりして4日間合計で-23.03%となる-2,143.35円下落し、しかも朝方の寄り付きと大引けの比較では毎日大引けが安いという状況が連続して後に、今度は逆に朝の寄り付きは安く始まり、大引けがその日の最高値とほぼ同じという右肩上がりが3日間続いた最終日でこの3日間合計で26.06%となる1,866.86円の上昇となる乱高下となっており、さらにその翌日10月31日は再び朝の寄り付きは最高値に近く大引けが最安値で前日比-452.78円となったことや半月前の反騰から直ぐに暴落に転じた記憶が生々しいことを考えると上手く対応して利益を上げられた個人投資家は少なかったに違いない。
なお、この2008年10月は9月末の終値と10月末の終値を比較した月刊騰落率で見ると-23.83%となる-2,682.88円安という暴落局面に於ける反騰であり、10月30日の終値9,029.76円から見ると、2ヵ月後の2008年末の大納会であった12月30日の終値は8,859.56円とマイナスになってしまっていた。
こうしたリーマンショック後の暴落局面で生じた値幅に類似している…ということは、今回はもし逆に上昇局面が続いていく上での反騰であるならば、実は余り参考にならないことになるだろう。
逆にアベノミクスが期待外れに終わったと見て、暴落が続くと見るなら参考になるものと言えそうだ。
どちらと見るのかは見る人次第なので、評価の分かれる急騰といえそうだ。
なお、個別の銘柄についても出来高とチャートから分析してしてみると、興味深い点は多々あるので、後ほど詳細に見てみようと思う。