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高配当株は安全・有利な投資先でしょうか
先日、これから日本株を始めようと思っている方とお話しする機会がありました。
株がどんどん下がっていて心配だけれど、配当のいい株から始めてみたいとのことでした。
聞いてみると株価が下落しても、配当が出るならば損失を抑えられ、株価が上がらなくても配当分だけ儲かるなら良いのでは、という考えでした。
配当利回りが10%を超える銘柄もたくさんありますので、銀行に預けておくより有利という考えもあるようでした。
そのときはう~ん、そうかな?と思いつつも反論できずにいました。
そこで検証してみました!
東証、ジャスダックなど国内株式市場に上場している銘柄のうち、配当利回りが8%を超える企業は150社以上ありました。最も配当利回りが高かったのは中央物産で、22%にもなります。
ただ、過去3ヶ月の株価騰落率では、3月期決算の銘柄140社平均で-22.2%と、大きく下落しています。同時期のTOPIX下落率が-17.5%ですから、市場平均以上の下落でしょう。
ただ、配当金の権利が確定しているので、配当分を株価に加えて算出すると-14.5%となり、少しは下落に歯止めがかかります。
一方、配当を実施していない無配当銘柄も500社以上あり、過去3ヶ月の騰落率を見ると-11.9%と、TOPIX下落率、配当を加えた高配当銘柄平均よりも、下落幅が小さいことがわかります。
結果としては、過去3ヶ月の投資結果では、高配当銘柄を買うより、無配当銘柄を買った方がパフォーマンスは良かった(=被害は小さかった)と言えます。
これは、高配当銘柄は業績低迷や将来性の不安からここ半年で大きく株価が下がった結果、配当利回りが高くなった銘柄が多いことが原因になっています。
また、3月になって年間配当を70円から15円に引き下げた丸三証券のように、配当額は決まっているわけではないので、上記のような業績低迷で配当利回りが高い企業は、減配する可能性が高いことも重要なポイントです。
高配当銘柄への投資にチャレンジする際は、表面的な配当利回りにとらわれず、安定した業績を背景にして安定した配当を出している企業を選択するのが良いと思います。
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良く研究してますね。本や情報紙などは面白おかしく儲かると入っていますが、実際は誰も見向きもしないので配当を上げるか、株価が下がりそうなってしまった場合が多いのでしょう。言われるようにそんなに儲かりませんからかいてあるよりも少なくなるのが常のようです。高すぎる配当はあまり手を出さないほうがいいでしょう。
高すぎる配当には、必ず理由がありますね。その理由を分かって投資するならいいのですが、高配当のほうが安全、と考えてしまうと大変危険だと思います。