さて、前回のコラムの続き、注意事項。
もちろん、バランス型ファンドのアセットアロケーション戦略が
投資の万能薬ではないということをお伝えせねばなるまい。
たとえば、ファンドに組み入れられている資産が、
どれも似たような動きを示すものばかりだったらどうだろう?
つまり、それぞれの相関性が高い場合だ。
そうなった場合、どれも同じ方向に動いてしまい、
リバランスの機会がほとんどなくなってしまう。
(上昇するときはみんな上昇、下がるときは仲良く下落では、
それぞれの資産比率に変化が少なくなるため)
それどころか、そんな資産を組み合わせなら
そもそも分散投資の意味がない。
(卵をいくつかのカゴに分けたのに、
全てのカゴが落ちて卵が全滅したら意味がない!)
また、リバランスはそれぞれの資産が波の様に変動してこそ、
リスクを利益に変換するシステムと言える。
資産が下がってもいずれ上がれば良い。
(リバランスにより下がった時に買い増しして、
上がったら利食いができるからだ)
しかし、長期的に低迷して下がりっぱなしの資産ばかりの場合、
このシステムでも対処できない。
(リバランスも全体的な下落のカバーまではできない)
あとは分配比率の変更にも注意が必要。
読みがうまくいけば良いが、そうとは限らない。
変更によって、せっかくのリバランスの効果が薄れるのだ。
「ここ数年間の動向を鑑み、~」と理由づけされることもあるが、
そもそもバックミラーから未来は見えない。
比率の変更はアクティブ運用に他ならないので、
パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性が高い。
つまり、アセットアロケーションの重要な前提は、以下の三点。
・それぞれの相関性が低い(負の相関の)資産で構成されていること
・組み入れた資産の多くが長期低迷に陥らないこと
・致命的欠陥がない限り、分配の比率をあまり変えないこと
しかし、注意を払って適切な資産への分散投資を心がければ、ある程度回避できるので、
アセットアロケーションの有効性を説いても良いだろう。
(リバランスのタイミング等々、言及したいとこですが、今回はこの辺で)
ん~、次はいくつかバランスファンドを見てみようかな。