arama-さんのブログ
野村ＨＤの渡部ＣＥＯ、引責辞任
証券業界を揺るがせているインサイダー問題で急展開です。３件のインサイダー取引が明らかになった証券最大手・野村ホールディングスの経営トップが、問題の責任を取って辞任を表明しました。一方、業界２位の大和証券も２７日、調査結果を公表する予定です。
「一連の事案について、重く受け止めています」（野村ＨＤ 渡部賢一 ＣＥＯ）
証券業界のガリバーと呼ばれる野村ホールディングスのトップ、渡部ＣＥＯが辞任を発表しました。引き金となったのは、相次いで発覚した野村証券のインサイダー取引。企業の増資に関する情報を、特定の顧客に事前に漏らしていたのです。
「現時点で辞任の考えはない」（野村ＨＤ 渡部賢一ＣＥＯ、先月２９日）
わずか、ひと月前、同じ場所で辞任を否定した渡部氏。報酬のカットなどを打ち出し、乗り切ろうとしましたが、市場の対応は厳しいものでした。
財務省が売り出しを予定しているＪＴ株。その主幹事の選定から野村証券が漏れると、企業の間に、いわゆる「野村外し」の動きが広まりました。
野村ホールディングスの今年４月から６月の純利益は、前年同期に比べ８９％減少、結局、トップの交代という事態に追い込まれました。さらに、野村ホールディングスは会見で、他にも情報を漏えいした事例が複数あったことを明らかにしました。
「新しい時代に向けて、新しい人に経営を委ねたい」（野村ＨＤ 渡部賢一 ＣＥＯ）
後任のＣＥＯに昇格した野村証券の永井社長。就任に当たって新生・野村を強調しました。
「（渡部ＣＥＯは）一切、業務執行や経営に全く関与しない。相談もしないし、（意見を）聞くこともない」（野村ＨＤ 永井浩二新ＣＥＯ）
しかし、野村証券を巡っては、ＡＩＪ投資顧問による年金資産消失問題や、オリンパスの損失隠し事件にＯＢが関与するなど、信頼を落とす事態が続いていて、その回復には厳しい道のりが待っています。
一方、業界２位の大和証券は、２７日、インサイダー問題の調査結果を公表する予定です。
「全然可能性ない。何で私の名前が出た」（大和証券に在籍していたドイツ人の元営業マン）
こう憤るのは、大和証券の元営業マン。この男性こそ、大和でインサイダー情報を漏らした張本人とされる人物です。
元営業マンは日本板硝子の公募増資に関する情報を、ヘッジファンドのジャパン・アドバイザリーに漏えい。これをもとにジャパン・アドバイザリーが１６００万円の利益を得たと、証券取引等監視委員会は指摘してます。
しかし・・・
「（会社に）入ったばかりの外国人が全く大事な情報はもらいません」（大和証券に在籍していたドイツ人の元営業マン）
これに対し、弁護士らによる大和の社内調査では、逆に、入社したばかりで成果を焦り、インサイダーを引き起こした可能性があるとみています。
一方で、社員の評価基準に、こうした不正を生み出す素地があったことを認めながらも、「組織ぐるみ」との見方は否定。法令順守を徹底するとともに、日比野隆司社長ら幹部の報酬カットなどの処分も発表すると見られます。
しかし、インサイダーの闇は依然として深いのです。
「要求するのは誰も知らない情報、インサイダー情報」（ジャパン・アドバイザリー関係者）
金融当局は、野村・大和ともに関係があったジャパン・アドバイザリーが他の証券会社にもインサイダー情報を要求していたと、にらんでいます。このため、大手１２社に対して関係性の報告を求めており、証券業界と悪質なヘッジファンドとの取引実態の解明が今後の焦点となります。（26日23:10）
