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JPモルガン巨額損失問題、CDS取引の実態明らかに

[ロンドン 23日 ロイター] 巨額損失を出した米JPモルガン(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)のデリバティブ取引データが、米連邦準備理事会(FRB)のウェブサイトに公開された。


銀行が四半期ごとにFRBに提出する公式データは、JPモルガンの取引について、すでに報道されている情報を裏付けるものもあり、同社のリスク管理体制があらためて問われている。


FRBのウェブサイトに公表されたJPモルガンの四半期取引データによると、投資適格級クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の第1・四半期末時点のポジション(想定元本ベース)は、840億ドルのネットロング。2011年末時点の100億ドルの8倍強だった。うち、期間が1年か、それより短いCDSは540億ドルのネットショート、5年以上のCDSは1020億ドルのロング。2011年9月末はそれぞれ36億ドル、240億ドルだった。いずれも、短い期間にポジションの偏りが加速しており、同社の最高投資戦略室(CIO)の取引戦略をめぐる情報を確認する格好となっている。


あるクレジットアナリストは、JPモルガンの規模の大きさを考慮しても、ポジションの変動は大き過ぎると指摘した。


ポジションの大きさから、解消には相当の時間がかかると専門家は指摘している。


JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は5月10日、デリバティブ取引で20億ドルの評価損が発生したことを明らかにし、CIOの投資戦略の調査を開始すると表明した。


損失は第2・四半期に表面化したと説明されているが、投資適格級CDSとハイイールドCDSのポジションの変化をみると、第1・四半期から損失が出ていることが明らかだ。


FRBへの報告によると、第1・四半期はクレジット関連のトレーディングで3億2400万ドルの損失が出ている。CIOの分が含まれているかどうかは不明だが、JPモルガンのクレジット関連取引としては2009年9月以来の損失。2011年第4・四半期は34億ドルの利益を計上していた。

他の金融機関のデータと比べてみると、JPモルガンの「逆張り」ぶりが鮮明だ。そのような投資戦略をなぜ幹部が承認したか、という疑問もわいてくる。


投資適格級CDSのポジションでみると、ゴールドマンサックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)は第1・四半期は800億ドルのネットショートとJPモルガンとほぼ正反対。シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)(690億ドルのネットショート)、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)(同630億ドル)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)(同30億ドル)も同様だ。


FRBへの報告は、JPモルガンの投資戦略が裏目に出たこと、しかも早い段階で対応せず結果的に損失が膨らんだことをあらためて示している。


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