プランの種類と運用者のレベル2

[MDRさん]

MDRの芝一樹です。前回は順張り型のプランについて、大まかな取引の内容と売買のタイミングから、どのような運用者に向いているかを解説しました。今回は逆張りの売買プランについて見ていきたいと思います。
今回見ていくのは下記の4つの累計のうち、３番と４番のプランについてです。

順張りで、勝率と利益率が高いが、負けトレードの損失率が大きく、取引回数が少ない
順張りで、勝率と利益率は低いが、負けトレードの損失率が小さく、取引回数が多い
逆張りで、勝率と利益率が高いが、負けトレードの損失率が大きく、取引回数が少ない
逆張りで、勝率と利益率は低いが、負けトレードの損失率が小さく、取引回数が多い

3のタイプのプランは大きな下落の動きの底を狙って下落中に買いを入れるタイプの戦略です。日本国内でシステムトレードとして運用されているプランで最も多いのはこのタイプです。勝率、利益率共に非常に大きくすることができますが、イレギュラーな大暴落相場に弱い傾向があり、リーマンショック時には大きな損失を出したケースが多かったようです。逆にリーマンショック時に仕掛けないようにカーブフィッティングしてしまえば長期にわたって高勝率で、利益率も高いように見せかけることができるため、「システムトレードで簡単に資産倍増」なんて謳っているようなサイトではこれを使っていることが多いでしょう。ただ、大暴落相場がなければ安定して優秀な成績が出せるプランであることも間違いなく、恐怖心を克服して下落中に買うことができ、さらにリスクマネジメントをしっかりできる中～上級者であれば運用する価値のあるプランだと考えられます。また、運用資産が少ない場合には勝率の低いシステムを使うことができないため、数十万円程度の資産で運用をしたい、という場合には選択の余地なくこのプランを使うことになります。
4のタイプのプランは、トレンド中の調整を利用して利益をあげる戦略です。トレンドとは上昇や下落の傾向が長期間にわたって続く状態のことを言いますが、全体的にはトレンドに沿って株価が推移している間も、よく見ると小さな上昇や下落を繰り返しながら動いています。タイプ4の売買プランではこの細かな上下動を売買対象にして利益を得るのです。3のプランはトレンドそのもので利益を得る、ということと併せて考えると整理しやすいでしょう。個別売買の勝率はあまり高くはないのですが、勝ちトレードの利益率は低くはなく、また比較的頻繁に売買サインが出ますので、常に売買をしていたい方に向いています。しかし、トレンドの推移を読み間違うと損失が大きくなってしまいますので、トレンドの動きをしっかり見分けることのできる上級者向けのプランだと言うことができるでしょう。運用の難しいプランではありますが、それに見合ったリターンが見込める売買手法でもあります。
前回と今回で売買プランの4つのタイプについて解説してきました。実はこの他に順張りで、勝率は低いが利益率が高く、負けトレードの損失率が小さく、取引回数が少ないという、これまで出てきた取引方法とは全く異なるプランも存在します。実はこのタイプのプランはそもそもの考え方が根底から異なっているのですが、これについては次回解説したいと思います。
順張り型のシステムは売買タイミングから見て初心者向け、ということ以上に、負けが続いてプランへの信用度が下がっても、シグナルの出るタイミングでは株価は有利な方向に動いており、信頼しやすい、ということが重要です。