佐野眞一が『週刊現代』に連載していた
「大王製紙 井川家三代の知られざる物語」
が,4/14号で完結した。なかなか読み甲斐のある好読み物だと思う。また事件発覚当初「どうせ,内情はこの辺りだろう」という私の推測はそう大きくは外れてはいなかった。そのポイントの一つは,井川親子の人品の卑しさである。
例えば,意高(子)は東大合格祝いに高雄(父)から買ってもらったBMWで通学していたエピソードを紹介した上で,佐野は次のように続ける。
> 井川親子が救えないのは,そんな派手なふるまいをしても誰もうらやましがらないどころか,逆に軽蔑されるだけだということにまったく気がついていないことである。
人品と言えば,AIJの浅川某もそう。「何で俺がこんなところに呼ばれなければならないんだ」とでもさも言いたげに,ある答弁直後に膨れっ面をしたのを認めた。もちろん答弁内容は言うまでもなく,「あぁ,全く反省なんかしていないんだな」と思ったものである。
嗚呼,製紙会社の元坊ちゃまも元大手証券会社辣腕営業マンも,付ける薬がありません。
なお今回,連載を読んで良かったと思うのは,佐野眞一というノンフィクション作家を,読んでみようと思う意味で知ったことは,とてもよかった。井川家の没落記を通じて得られた最大の成果は,たぶんそれ。