○入院医療によって,主病名の以外の身体環境を悪化させることが多い。心筋梗塞は治ったが寝たきりになる,抗がん剤の副作用で味覚を失う,など。
○75歳以上の人は入院すると,1日2%体力が落ち(通常,一年で落ちる分),基本,寝たきりにされてしまう。だからできるだけ早期にリハビリをしないといけない。
○ともかく命さえ救えばという医療従事者の使命感が,患者には苦しみになることも多い。
○専門医の弊害は,全体を見ず,臓器や病気しか見ないこと。生活習慣や生活背景など一切考慮せず,40歳でも90歳でも同じ治療をする。
○昔の遺体は軽かったが,今の遺体は重い。点滴で必要以上の水分を体内に入れられているから。
○命を守るだけだと,ダラダラと死ぬことを先送りするだけの医療になり,本人は希望もしない苦しい日々を送らされる。
○穏やかな,安らかな死には,普段からの心がけが必要。
○痛むならさておき,痛まないなら放っておく。知らない方が幸せなこともある。
○日本人は命の有限性にきちんと気づかないといけない。人間としての繁殖期を終えたら,もういつ死んでもおかしくない。還暦や定年を迎えたら,死を前提にものごとを考える。会っておきたい人には会い,行きたい所には行っておく。死を全く考えていないから,なんとか生にしがみつこうとする。だいたい年をとったら早過ぎる死なんてない。もう十分に生きたんだからいつ死んでもいい。