昨日参加していたセミナー終了後,出席者の一人が講師に尋ねた。
「ところで,肝心の東電はこれからどうだろう?」
オーバーコートや背広,革靴それぞれに値が張るとおぼしきものを身につけている70歳前後,そして何らかの病気持ちと見受けられる男性である。
講師も少しは「空気」を察すればいいのにと思うのだが,「上場廃止にはならないだろうが,かつての株価水準に今後戻ることはないだろう」と繰り返し,おまけに「昔から持っておられる方は,本当に苦しいでしょうね」。
男性「いや,実際苦しんでいるんだ」。
どうも,たぶん結構な量の東電株を塩漬けにしてしまっている様子である。
ちなにみ,セミナー終了後の質疑応答でセミナー内容とは直接関係の無い個別銘柄について今後の見通しを尋ねる方がよくおいでになる。そうした光景を見かける度に,私は内心「それは自分で考えるべきことだろう。大体,こうした場で個人の保有銘柄の見通しについて……の証拠。だから9割の……は当たり前」。
上記男性にとって,東電株は「肝心」なのである,「肝心」。東電株の行方? 今さらねぇ~~。(+_+);;
以前,ITバブル崩壊後二束三文になってしまった関連銘柄の株を損切り出来ない人が某マネー・スクールに駆け込み「どうしよう?!」。応対した講師が,「(損切りして)出直しましょう」と懇々と説いても結局首を縦に振らない,というエピソードをその講師の女性からうかがったことがある。
「そういう方って,どうしても諦めきれないんですよね」と彼女が語る時に見せた,遠くを見遣る眼差しがとても印象に残っている。彼女が美人だったせいもあるかも知れないが。(苦笑)