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転換価格の高さや、割当先から希薄化の可能性は少ない

28日の夕方に3000億円の劣後特約付新株予約権付き社債の発行と1200億円を上限とした自己株式買いの発表を行った。この一連の動作により、資本調達コストが軽くなり、株価にはプラスの影響が働くだろう。

この債権は06年に新日本製鉄が発行したタイプの債券で、ハイブリッド債と呼ばれるものだ。この債権の特徴は全てが有利子負債とみなされず資本に組み入れられるため、格下げによる信用力の低下を防ぐほか、増資などと違い株式の希薄化が起こりにくく既存の株主価値を下げることもないというのが特徴だ。

今回も転換価額が8530円と28日の終値から80%以上乖離しているほか、割当先はいずれも取引関係があるみずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行と安定株主の色彩が強いことから希薄化の懸念はほとんどないと言っていい。

加えて、調達金利は1.8%とJFEホールディングスに毎年かかる株主資本コストの約10%を下回る。さらに株主資本コストの高い自社株は、6%に当たる1200億円の自社株買いを進めることにより、減少する方向だ。資本コストが軽減される結果、株価にはプラスの作用が働きそうだ。
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