平安時代、正月最初の卯の日に宮中に献上され、
貴族間でも作ったり送られたりしたとのことですが、
もとは中国の故事にある呪術的な風習がわが国に伝わり、
それが卯杖となったそうです。
邪気を払う、と言われており、当時は御帳の四隅に立てられていたようですが、
現在では柱に掛けて用いられたり、床の落としかけにかけます。
私は毎年華道で卯杖を作っており、以前先生と私の日程があわず、
やむをえず上賀茂神社で卯杖を買い求めたこともあるのですが、
どうも、私はこの卯杖を自分で作らないことには、年が明けた気がしないのです。
キットも売っているのですが、ありがたいことに私の先生は経済的な負担を考えてくれて、
先生自身がお値打ちのものを求めて、あちこちに足を運んで材料を調達してくれます。
桃の樹を削っていると、華道を言うより工作に近い感じでなかなか面白い。
今までは、日陰かずら、金柑、稲穂などをまとまるのは麻紐のようなもので縛っていたのですが、
今年は本格的に木綿(ゆう)を使いました。
「だから、今年も頑張ってよ。」と先生に言われてしまいましたが…