イージス艦と漁船の衝突事故-海自に問題が多すぎる

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イージス艦と漁船の衝突事故-海自に問題が多すぎる

日経新聞より。
海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故で、第三管区海上保安本部は21日、あたごが清徳丸の左舷に直角に近い角度で衝突したとほぼ断定した。清徳丸の船体の左舷側だけに、あたごのものとみられる灰色の塗料が付着していた。同本部は船体の鑑定も進めており、速度や角度など詳しい衝突状況の解明を急ぐ。
 あたごは、右から左に横切ろうとした清徳丸に艦首から衝突したとみられ、相手の船を右側に見ていたあたご側に回避義務があった可能性がさらに高まった。


 まだ、事件の全貌が把握出来た訳でもないし、関係者の説明が2転3転しているところも見受けるので、出来るだけ早く防衛省が事実関係をまとめて発表してくれるのを待つしかない。
 ただし、これだけは言える。どんな事故であれ、説明が2転3転するような組織はどこかに問題がある。海上自衛隊は自分達のミスを隠そうとしているのではないか? そういう目で今回の事件を見てみよう。

1 事故発生(19日4時7分)から、大臣まで報告が上るのに1時間半も要しているのは極めて異常。連絡のミスとは思わない。不信感がつのる。隠蔽工作の第一歩? 現場がつじつま合せの時間稼ぎをしていたのではないか?

2 事故前の艦船と漁船の航行状況が海上自衛隊の説明と漁船の僚船からの情報とが食い違っている。

3 肝心の見張り員の証言が何ともたよりない。

4 見張り員からレーダー監視員に漁船発見の情報が伝わっていないのではないか? そんな単純な事実関係さえ、明らかになっていない。

5 肝心のレーダーの記録は無いという。最初から記録していなかったのか、事故後故意に消したのかどうかも分からないというから情けない。あちこちの問題発生の役所では肝心の記録がないという事態は今までにも何回となく起っている。隠蔽工作ではないのか?

6 発生から3日も経っているのに、事実関係がいまだに明らかにされていない。現場が隠蔽工作をした場合、事実関係の掌握に長時間を要することは間違いない。

7 イージス艦あたごは衝突1分前に急制動をかけるまで、衝突回避行動をとらず、自動操舵装置で航行していたのは何故か?

8 衝突した直後、イージス艦は漁船乗組員の捜索、救助活動はどうしたのか? 何の報道もなされないのは不思議です。

9 ここで、今回の事故以外の海上自衛隊の組織の問題点が露呈した最近の事件を見ておくのも無駄ではないと思う。
a イージス艦の情報漏洩(高度な秘密情報をネット上にばら撒いた)
b インド洋上での補給艦の給油量のウソ(説明では連絡のミスだという)
c 同じく、航海日誌の破棄(説明では誤って廃棄したそう)
d 護衛艦しらねの火災
 翔年は自衛隊は軍隊だと認識しているから、こういう甘い組織はガマンなりません。憲法上の制約から、日陰に咲いている自衛隊は、軍隊としての規律も技術も技能もそれらを束ねる組織もふにゃふにゃです。

10 蛇足ながら、21日午後3時35分頃、漁協に謝りに向かう石破防衛相を乗せた乗用車が交差点で右折の際、直進車と衝突した。運転手の自衛隊員が前方不注意で右折した可能性が強いとのこと。


 いったんタガが緩んだ組織は、嘆かわしい出来事が次から次と連鎖反応的に起る。そうならないように、組織が常にキチンと本来の役割を果たせるようにしておくのが、トップの役割であり、責任であろう。

 現在の自衛隊では万一国際紛争が起こったとき、国民の命と財産を守れない。
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