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ストップの設定の基本
ストップの位置は仕掛ける前に決めておく必要があるでしょう。これは、仕掛け直後に株価が思惑と逆方向に大きく動いて、想定外の損失を出してしまうことを防ぐためです。では、ストップの位置はどのように設定すれば良いのでしょうか。
ただ資産を守るためという理由で、仕掛け値からほんの数ティックの位置にストップを置くのはおすすめできません。なぜなら、このストップ設定方法には根拠がないからです。「資産を守るため」というのは根拠ではなく、相場に対する自分の願望の現れであり、資産減への恐怖をコントロールできていないということに他なりません。コラムでも書いているとおり、恐怖や欲を元に投資をすると資産を減らしてしまいます。
資産を減らさないためにきついストップを置くのに、資産を減らすことになる、というのは逆説的にも聞こえますが、実際、仕掛け値から近い位置のストップばかりを多用すると資産を減らすことになります。これは同じ仕掛けルールで仕掛けた場合、ストップまでの幅が狭いほど損切りの回数が多くなるからに他なりません。実際、私たちが運用しているあるルールでは、仕掛け値比-20%にストップを置くと一取引あたりの期待値は4.37%ですが、-5%にストップを置くと3.04%に減ります。もちろんストップをあまりにも遠い位置に置いてしまうと大きな損失を被って早々に市場から撤退することになってしまいますが、小さな損失も積もり積もれば市場から撤退するだけのダメージになってしまいます。ストップを厳しくしすぎても、緩くしすぎても、時期が違うだけで破産をしてしまうことには変わりないのです。
実際に投資活動をしている方であれば、感覚的にも相場の天井や底にすぐ近い位置で仕掛けることができるケースはほとんどない(=仕掛け値のすぐ近くにストップをおくとすぐに手仕舞いをする事になってしまっていつまで経っても利益が出せない)、ということはお解りいただけることでしょう。
しかし、前回紹介した素晴らしい相場格言「損切りは早く、利食いは遅く」に則れば、損切りは早いほうが良いはずです。この「早く」というのはどういう意味なのでしょうか。次回は適切なタイミングで素早く損切りをするためのストップラインの適切な設定方法について解説したいと思います。
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