yuhsanさんのブログ
持ち株のお手入れ
投資に当たっては、いい株を相場の流れに乗ってタイミングよく買うことが大切ですが、慎重に選んだ虎の子でも、手入れを怠るといつしか輝きがなくなってしまいます。
銘柄選定の物差し(PER、PBR、配当利回り)は、買うときも保有するときも基準であることには変わりありません。保有している銘柄は、株価の上下によって絶えず物差しの値が変化しています。
利回りを重視して買った以上、その株が生み出す収益力と配当には、特に注意しなければなりません。株価の動きと利回りの関係については、通常株価が上がれば利回りは低下しますが、増配すればまた利回りが上がるので問題はありません。それでも、株価が上昇して、配当利回りが1%以下になり、将来の増配見込みが少ない場合には売却します。
好業績の結果株価が上がり、配当利回りが低下してしまうのは、その銘柄の選択が間違っていなかったことの証明で、その株はいい株だったのです。反対に、その銘柄の業績が低下して、算定基準に合わなくなってしまったときは問題です。特に減配は、配当を目的とした保有の前提が崩れてしまいます。この場合、株価はすでに減配を織り込むような形で下げますので、配当利回りはあまり変わりませんが、受け取る配当金は減ります。
減配は企業にとっても、経営成果を評価される鍵となりますので、よほどのことがないかぎりしません。まず減配が一過性のものであるかどうか、その原因を突き止めることが大切です。ただ、多くの場合、こういった状況に追い込まれた会社側の言い訳は、あまり信用できません。私は会社側の発表を疑って掛かり、多くの場合売却します。無配転落の場合は、理由のいかんを問わず即売却です。
そのため、日ごろからおかれている業界の動向には注意し、事業の先行き不安または企業の利益率低下が、長期的に予想されるかどうかをチェックしておく必要があります。四半期決算で、業績見通しがたびたび未達になる場合にも、売却を検討し銘柄を入れ替える必要があります。
株価の動きは、必要以上に神経質になる必要はありませんが、会社の業績を映す鏡になることもありますので、大きく下げて反発が鈍い銘柄については、減配の疑いがあると考えて備えておくことも必要になります。
銘柄が増えてくると、なかには目の届かない銘柄が出てきます。管理ができる銘柄の数は10ぐらいが限度ではないでしょうか。これ以上増えると、業界に対する関心が薄れ、思わぬ落とし穴にはまる危険が出てきます。
具体的には、3銘柄程度をコア銘柄としてここに持ち株を集め、株価の値上がり期待と配当取りを狙います。残り4~7銘柄程度は、株数は多くはありませんが、将来のコア銘柄の入れ替え予備軍として保有します。金額的には、時価総額の3分の2をコアに、残りの3分の1をコア予備軍に当てるようなポートフォリオを心掛けています。そうすれば、仮に東京電力がコアに組み込まれてとしても、損失は全体の2割程度にとどまり、再起が不能になるようなことはありません。
ひとつの相場が終わって次の相場に移るときは、銘柄選定の物差し(PER、PBR、配当利回り)に合致する銘柄がゴロゴロあります。こういうときこそ、全持ち株が所属する事業の将来性について再検討し、銘柄を入れ替えます。所有している銘柄の下げが全体指数の下げよりも大きくなった銘柄を中心にして、入れ替えの対象にします。
逆に、相場の天井期には、利回りが低下して売却銘柄が増え、コア予備軍からコア銘柄に入れ替えても、銘柄数は減少を続けます。こんなときには、新しく買い入れたくなるような銘柄も見つからなくなります。相場が変動しているときは、できるだけ持株の中での株数の調整にとどめ、嵐の過ぎ去るのを待つのが一番です。
定期的にやっておかなければならない持ち株の管理には、日々のデータ管理、会社が発表する決算のチェック、1年間の投資成果を総括する税務申告があります。
(1)取引の記録と管理 日々の取引については、売買報告書を保存し、その記録を帳票として残しておきます。売買報告書は、単に記録を取るためだけではなく、税申告の際の添付書類としての意味を持っています。証券会社から発行された売買報告書類は、エクセルを使ってコンピューターに保存され、
年度別収支記録(取引記録、譲渡所得計算表、配当記録、所有株、年次決算)
持ち株単価計算表(銘柄ごと作成)
年次決算推移
の形で集計管理されます。
(2)決算のチェック 1、4、7、10月の下旬から始まる四半期ごとの決算発表は、銘柄別に必ず発表直後に閲覧し、プリントしておきます。特に1月は、その期の業績の動向が一番明確になり、また4月は次の年の見通しが会社から発表されます。これらの数字は従来の見通しと比較し、その会社の業績の動向がどのように動いているのか把握しておかなくてはなりません。
(3)確定申告書の提出 毎年2月から3月に行われる確定申告時には、その前の1年間の損益を計算し、利益が出た場合には、前年からの繰り越し損で相殺したうえで、なお残れば利益分を納税します。年間の損益がマイナスの場合は必ず申告し、翌年以降の利益相殺できるようにしておきます。
申告後に値上がりした含み益は丹念に値洗いし、翌年以降の申告で損埋めをして、せっかく申告した損失を4年後に無効にしないようにします。株式にかかわる税制は、いつ変わるか分かりません。株式取得費と時価総額とはできるだけ近づけて、売却時の税負担を少なくするよう心掛けます。
たんすに入れ忘れた株が、いつの間にか10倍に値上がりしていたなどというのは昔の話。大切な財産はきちんと手入れをして、常に輝いているようにしましょう。
こんにちは。
理屈に合った手順、そこまで管理は出来てませんけど、
納得しながら、読ませて頂きました^^
コアの銘柄数や、入れ替え予定銘柄の考え方は同じような考えで、
ホッとします^^
そして基本のPER,PBR,利回りも結構チェックしています。
読んでいて安心しました。
東電、オリンパスなどは私にとっては、
コア銘柄予備軍になっています。オリンパスは、今後もどうなるか不明ですが、
自分なりの考えで、買い続けていました。
基本項目とは関係なく、会社の価値について思い描いたんです。
例え、上場廃止になってもこの企業価値はそれほど落ちないと思い、現物を持っていれば、という結論でS安後も買っていました。
今は、マネーゲームになっていますけど一応の利食いだけして、安値で仕入れた現物は、長期保有の予備軍です。
予想より急に高騰し過ぎなので、持ち株数は抑えていますが。
資金の少ない場合は、少ない投資で、数年先の利益を考えて、
こういう銘柄を真剣に考えて、リスクを取ります。
(額としては小額なので、リスクも小さいかもしれませんが。)
その割合は、投資額の5分の一くらいでやっています^^
球さん
お元気ですか。
オリンパスは、すっかりゲームの対象になってしまいましたが、安いところを買っておられるのはさすがですね。技術力も販売力も日本有数の会社ですし、過去の膿はすでに出し切っているので現在の収益力で評価すれば、今の値段はまだ安いのかもしれません。
いずれ問題が片付けば、ゲームの対象からはずされ、元の会社に戻ります。それまでの辛抱です。
日本の株価もそろそろ落ちるところまで落ちて、いくら外国人が先物で売っても現物がついてこない(売り物が見つからない)状況になってきました。
私も来週から来年の3月を見据えて、コア予備軍を買い増すつもりでいます。
それではお元気で。