忍び寄るギリシア危機

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忍び寄るギリシア危機


先々週のジャクソンホール公演を受けて、市場はFOMC待ちの状態になっているように見受けられます。バーナンキFRB議長が講演で次回の会合に含みを持たせたからに他なりませんが、そのFOMCは9/21,22が開催予定日で、今週と来週もFOMCの着地点をにらみながらの推移となることが予想されます。各種指標はリセッションへの方向を示し始めており、再来週の会合では対策決定とまでは行かないまでも何らかの方向性が出てくる可能性は高いと考えて良いでしょう。
一方国内ではあまり報道されていませんが、ギリシアがいよいよ危ない状況になってきています。当局は必死に対応策を探っているにもかかわらず、当のギリシアが半ばさじを投げたような対応をとっていることが問題を複雑にしているのですが、ここに来てついに支援側とギリシア側の意見がかみ合わなくなり、EU、 ECB、IMFによるギリシア支援協議が一時ストップするという事態になってしまっています。端的に言えば次回の融資を行うか否かの判断を行う協議が停止してしまった 状況で、融資がなければギリシアは即破綻するため、ユーロ圏の緊張感は一気に高まっています。ギリシアの一年国債の利回りはついに前代未聞の70%超えというところまでき ました。今ギリシア国債を100万円買えば一年後には170万円以上になって返ってくるという状況で、誰が見てもリスクが高すぎる状態にあることが分かりま す。アメリカのリセッションよりもこちらの方がずっと広範囲に激しい影響が出る上、現実味も高いという危険な状態と言えるでしょう。FOMC前に大きな問題に発展する危険性もありますので、ただ市場の流れに乗って待つのではなく、警戒を怠らないようにしてください。
システムトレーダーで短期逆張り型のシステムを運用している方は、8月上旬の下落で思うように利益をあげられず、歯がゆい思いをしているのではないでしょうか。もしギリシアの問題が最終局面を迎えた場合、株式市場は一気に値を落とすことになると考えられます。もしまだポジションを持っている場合は早めに売って現金化し、次の下落で思う存分に買えるように準備をしておきましょう。特に転換点を狙うタイプの高勝率逆張り型システムにとってはおそらくこの下落が今年最大の買い場になると考えられます。
今週重要なイベントは、まず火曜・水曜に予定されている日銀政策金利決定会合です。長く続いている円高への対策発表が行われるものと考えられ、サプライズで何か材料が出てくれば日本株式は上昇する可能性が高いと言えそうです。ただし、単独の為替介入はすぐに効果がなくなることが先月の介入でわかってしまったため、同様の対策では市場は反応しないと考えられます。そもそも自国通貨の価値が高いこと自体は決して悪いことではないため、当局としても難しい対応を迫られそうです。
木曜日にはECBでも定例政策委員会が開かれます。今回の会議ではギリシア、イタリア、スペインの状況から4月、7月と行われた利上げ路線を見直す可能性が高いと考えられます。利下げは株式市場にとっては良いニュースととられることもありますが、基本的にはファンダメンタルズの悪化から来る流動性の硬直化を抑えるための手段です。仮に利下げが発表されたとしても株式市場がどう反応するかは分かりませんので、利下げ=買いではなく、柔軟な対応を取れるように準備しておきましょう。
金曜日には日本の4-6月GDPが発表されます。すでに予想より良い数値で一時速報が出ており、震災からの素早い復興を示唆するものとして受け止められていますが、この値が修正されるのか否かが焦点になります。マクロ経済では大手のサプライチェーンが復旧したことで回復基調となってきていますが、東北の沿岸部はまだまだ大変な状況にあり、義援金などのおかげで何とか経済が回っている状態です。これから年末にかけて資金の尽きてしまう企業も少なくないと考えられ、ミクロレベルではまだまだ余談を許さないといえるでしょう。
今週は多くの材料が出てくることが予想され、個人投資家にとっては流れの読みづらい市場となることが考えられます。こういうときは無理せず、一旦投資の手を休めて流れの方向を見極めるのも重要な戦略となります。焦って思わぬ損失を出さないように気をつけてください。
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