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【コラム】大胆な緊急対策に慎重な姿勢―米FRB議長
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は2007年8月の金融危機発生以降、苦境から抜け出すための緊急対策を次々に打ち出してきた。バーナンキ氏は9日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、緊急対策がまだあるのか自問しているに違いない。その答えはイエスで、対策には小粒なものもあれば大胆なものもある。だがいずれにせよ、バーナンキ議長は市場の動向を見極めた上で、実施する構えだ。
同議長はこれまで、事実上のゼロ金利政策、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の大量購入、さらにはコマーシャルペーパー(CP)市場やマネーマーケットファンド(MMF)の救済などを発表してきた。その目的は、バブル破裂後の傷ついた米経済のてこ入れだったが、今では経済見通しは悪化を続けており、インフレは加速している。
バーナンキ氏は、わずかでも経済の下支え要因になると判断すれば、いかなる対策でも試みるだろう。ただ、これ以上インフレを加速させてはならないと決意している。インフレを引き起こすことへの懸念を考えれば、同氏が思い切った対策である米国の大量購入の再開、いわゆるQE3の実施に踏み切る可能性は小さい。コーン前FRB副議長は先週、FRBはQE3を実施するにしても、インフレの鈍化を確信できるまで待つだろうとの見方を示した。
小粒な対策としては、まずFRBがFOMC後の声明で保有国債の売却を「長期間」差し控えると明らかにすることがある。FRBは08年以降、短期金利を「長期間」引き上げないとの立場を表明し続けているが、保有国債については段階的に処分していくと述べているだけだ。
次に、FRBが準備預金の利率を引き下げることがある。FRBはリーマン・ショック後の08年10月に、準備預金に0.25%の付利を導入した。銀行はこれ以下の金利ならば市場で貸し出さなくなるため、0.25%が市場金利の下限となるはずだった。しかし、多くの銀行にとっては、短期預金の待避先としては準備預金が金利面で最も有利なものになってしまった。銀行の市中貸し付けを増やすためFRBは準備預金の利率を引き下げることができる。
ただ、保有国債の長期維持にしても準備預金利率の引き下げにしても、大きな効果は期待できず、またインフレを誘発する恐れもあるため、バーナンキ氏は批判を受けるだろう。