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ウサンくさいがウソではない話

「株価の騰落を10日間続けて当てることができます」と聞いたら、おそらくウサンくさい話と相手にしないでしょう。でもウソではありません。


古い話ですが、今から2年前の日本経済新聞の土曜版に「成功しか見えないワナ」という題で、その方法が説明されていました。


それによると、1万人にメールを出し、5,000人には「今日は上がる」残りには「下がる」と伝えます。翌朝には予想が当たった5,000人のうち、さらに半分ずつに当落予想を伝えこれを繰り返すと、10人ほどの人は「10日間続けて当たった」と証言することになるそうです。


このことは、はずれには目を向けず、あたりだけに注目してしまう心理で、行動経済学では「生き残りバイアス」と呼んでいるようです。この現象は詐欺の常套手段で、絶対勝てる投資方法とか、必ずやせるダイエット法といったキャッチで、数少ない成功例だけを挙げて、あたかも全体がそうであるような錯覚に陥らせる方法です。


さて、本欄をご覧になっている方には、この種の宣伝には引っかかるような人はおられないと思いますが、皆さんの日記を拝見していると必ずしもそうでもないような感じがします。


とくに株価の予想については、投資家の最も関心の高いところで、本欄の多くがそれに費やされるのは当然だと思います。問題は、その予想に対して、セカンダーが登場し、その予想に蓋然性のあるように方向づけをすることです。


株価予想は、情報、資金、経験に恵まれたプロでも当たらないのが当たり前なのです。彼らは当たらなくても平気で、翌日はまたもっともらしい予想をしています。こういう人たちの予想は、たいていその会社のポジションを代表しています。買っている人は上がると予想し、売っている人は下がると予想します。


株価予想については、10日間続けて当てることも可能だというウソでない話があることを念頭にして、自分なりの考え方をもつようにしましょう。そうしないと、大切な財産を守ってゆくことができません。


ところで、株価はこの1ヶ月で800円ほど上げて、震災前の水準に後わずかのところまでになりました。ただ1ヶ月前にこの上げを予想した人が何人いたでしょうか。


木曜日朝のCNBC番組で、薄商いの中下がらない株価を、アジア系のファンドと日銀が、合計で1兆7千億円ほど買って、市場から浮動株を吸い上げていることをあげていました。CNBC番組はニュース系が多く、予測は当たることが少ないのですが、需給関係の情報は確かなようです。


売買代金が増えないと本格的な株価の上昇に繋がらないとする意見が多いようですが、案外薄商いの中サマーラリーが続きそうです。


1、4,7,10月は株価の動きやすい時期です。皆様方も、しっかりした株価の予測を持って、大いに儲けていただきたいものです。

 

 


 

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