事業的に厳しい難局を乗り越えられたとのことで何よりです。
危うく、会員もろとも消滅するところだったのかな、などと冷や汗をかきました(怖)。
こんな話を瓜生社長にするのは、釈迦に説法だとわかりきってはいるのですが、
事業戦略には、しょせん3つしかありません。
・対象顧客を広く取った
①コストリーダーシップ戦略
②差別化戦略(ブランド化)
・対象顧客を絞り込んだ
③集中戦略
この事業戦略にブレが生じると、企業は悪魔の循環に入り破滅します。
MASSTUNE, Inc.は、③の集中戦略をとっているわけですから、
この事業分野の足場をもっと固めた方が良いのではないでしょうか?
ひとつの事業収益だけに頼ると、今回のような大波が来たときに、
致命的なダメージを負いかねません。
ネットでの広告ビジネスモデル自体が陳腐化しつつもあります。
瓜生社長が海外を飛び回っているのは、
自社の強みをコアとしての多角化を目指してのことかと想像していますが、
足元のみんかぶが、いまだにβ版というのは、どうなんでしょう?
会費で、安定収益が見込める有料コンテンツも、
おそらく目指したであろう商品の魅力を実現できていないように思えます。
多角化とコアの強化。
とても難しいことであり、多くのベンチャーが成し遂げられずに、
生まれては消えていっています。
わたしがみんかぶに感じるのは、ベンチャーにありがちな商売に徹することができない部分。
具体的には、
収益は、顧客ニーズに答えた結果として、顧客から得られるものであって、
たとえどんなに正しいと思っていることであっても、
客から金を引き出せなければ事業は成り立たないと言うこと。
他社とつながったコンテンツが増えていることで、
さまざまなアライアンスを展開されているように見えるのですが、
アライアンス先の方が、上手にみんかぶ会員を通して利益を得ているように思えます。
ここは、『株のSNS』であるため、お金を扱っている会員ばかりという特色があります。
これだけ、会員がいるのですから、
『会員から安定してお金を取れるスキーム』
にリソースを集中した方が良いように思えてなりません。
そのためには、MASSTUNE, Inc. が、
みんかぶ会員を自社SNSの『会員』として見るのではなく、
『お客様』として見る意識の改革が必要なのではないでしょうか?
実は、これ、いまだにわたしが良くやる失敗です。
市場と顧客を分析して、新しい事業計画を作り上げたときって、
自分の思いが強くて、
ジグソーパズルのピースをはめ込んでいくように、
他社さんとのアライアンスとビジネススキームを作り上げることに突っ走ってしまって、
ちゃんとそれなりに事業の成功が見通せるものだから、
他社さんもどんどん乗ってきてくれて、
お互いの役割と利益配分、スケジュールまで整合して、
リストアップされたお客様に絨毯爆撃をかけてみたら、
テストマーケティングの結果から予測されたほどお客様が囲い込めず、
ブレークイーブンは超えるものの、大した収益には成長する見込みが無いことが判明して、
「今回は見送りましょう」
という結論でアライアンス解散。
失敗のポイントは、参画した企業間での議論がエスカレートして、
いつのまにかプロジェクトの正当性に視点が移っているのに気づかず
肝心の
「お金を出してくれるは、お客様」
という部分が置いてけ堀になってしまうこと。
毎度やる失敗なのに、熱くなると、
ビジネススキームの構築の面白さに思考がとらわれてしまい、
金の出どころがどう見てくれるかということを、
自分の思想に対する自信で
「これを理解しないのは客がおかしい」的な錯覚を起こしていることに気づかない。
もっと、新事業の勝率を上げないとダメですね。
まだまだ、わたしは未熟です。
なーんて、ちょっとマジメ子ぶりっこしてみたりして(笑)。