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6/14雑感(震災後CDS)


ここのところの日経平均は主に外部要因によって変動し、国内からはほとんど材料の出てこない材料難相場となっています。材料難の時のご多分に漏れず、株価は低いボラティリティのままボックス圏での推移が続いており、裁量トレーダーにとってもシステムトレーダーにとっても動きが取りづらく、利益のでない退屈な相場環境と言えるでしょう。
このような相場は均衡が崩れると一方向に向かって急激な値動きを起こすことがあります。今のところはQE2の終了や欧州危機の深刻化によって大きく下落するという線が濃厚ですが、バーナンキFRB議長は現在の経済成長状況を「苛立たしいほど遅い」と表現しており、QE2の終了は先延ばしになる可能性も高まっています。また、QE3が絶対ないとも言い切れません(もっとも関係筋は一言も触れていませんが)。
いずれにしても動くとすれば大きな値動きになる可能性が高く、個人投資家にとってはリスクの高い局面と言えるでしょう。このような局面では様子見に徹すると言うことも資産を守る意味では重要な戦略になります。
株式市場がそんな状況であることもあり、今日は国内各企業のCDSの推移について見てみたいと思います。次のサイトをご覧ください。このサイトは国内上場企業の直近のCDSスプレッドをグラフ化して表示しています。ちょうどグラフの左端が東日本大震災、右端が現在のCDSスプレッドです。
http://www.j-cds.com/jp/index.html
震災後一様に上昇していますが、その後高い水準のままの企業や、震災前よりも大幅に低い水準にある企業など様々です。そもそもCDSスプレッドとはかなりおおざっぱに言って債権の保証コストを表し、この数値が高いほどその企業がデフォルトを起こす可能性が高いと考えられます(デフォルトリスクが高くなると上昇する数値です)。一般的にはこの数値が200bpsを超えた企業は危ないと言われているのですが、東京電力は見ての通り1,000bps超えの非常に高い数値となっています。ちなみにギリシアは1,500bps近い水準です。
大震災前後を比べると建設、重機、金属関連は数値を下げており、復興関連として当座のデフォルトリスクは低いと見られていることがわかります。一方、工業、商事関連は半分くらい戻ってきたところで、震災後の危機的状況は去ったと見られているようです。小売り、証券、不動産関連は未だ高く、消費や投資活動の後退懸念が高い状態であると考えられます。運輸関連だと陸運、空運は悪い水準にあるものの、海運業のデフォルトリスクが下がっていることが特徴的と言えるでしょう。
このように、CDSを眺めることでわかってくることもあります。特に欧州危機の状態はただ状況を見ているよりも、CDSスプレッドの推移を追っていた方がより状況の変遷がつかみやすいのではないでしょうか。また、CDS主に機関投資家が取引する金融商品のため、市場に具体的な動きが出てくる前にCDSがおかしな動きをすることがあります。例えば、直近ではゴールドマン・サックス(GS)のCDSスプレッドが急に上昇するということが発生しました。5月の半ばくらいからの動きだったのですが、5月の末にGSは議会に呼び出され、これに伴って株価も大きく下げています。
株式市場が横ばいとなっている今、CDSを見ることによって次の戦略も立てやすくなってくると思いますので、チェックしてみることをお勧めします。
今週の指標は、昨日の機械受注統計が市場予測に反して下落に転じました。為替に助けられた部分はあるものの、これを受けて日本株は下落しています。週の半ば以降は海外で重要指標が控えており、水曜日にユーロ圏の鉱工業生産とアメリカの消費者物価、木曜日にはユーロ圏の消費者物価とアメリカの住宅着工件数、金曜日にはユーロ圏の貿易収支が発表されます。今週も外部要因に注意しながら、大きく動いたときにどう乗るかのシナリオを練っておきましょう。
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