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【ブログ】中国経済の悪化で影響を受ける国
- 中国の不動産市場が、ついにスピードを緩め始めたようだ。これにより、中国だけでなく、貿易相手国も影響を受ける可能性がある。 好況を呈するオーストラリアの石炭業界も影響を受けるだろう
では、中国の建設業界が動きを止めたら、どの国の動きに影響するのか。中国建設業界の停滞は、世界2位の経済大国である中国経済全体の停滞につながるのだろうか。
そこに話を進める前に、順を追って見ていこう。中国の都市部では不動産販売が鈍っており、不動産価格の低下を示す指標もみられる。しかし、ひどい暴落が起こりそうな気配はまだない。不動産市場が停滞してもしなくても、中国経済の今年の成長率は1けた台後半になると予想される。
「崩壊を前にしているわけではない」。UBSのエコノミスト、ジョナサン・アンダーソン氏は言う。「数字は下がってきていたが、今は安定しつつある。逃げ出すべき時ではない。だが、数字が変動し始めたのは確かで、注意をする必要はある」
それでも、一部の人々は状況の悪化を予測している。そうなったら、中国以外ではどの国が打撃を受けるだろうか。
最初に影響を受けるのは、鉱業製品の生産国で中国に輸出している国や、中国の需要に間接的に依存している国だ。具体的には、オーストラリア(石炭、鉄、鉱石、天然ガス)、南アフリカ、ブラジル(工業用金属)、チリ(銅)などだ。タイやベトナムなどの東南アジアの国々は中国にゴムを供給し、インドネシアは石炭を大量に供給している。
これらの国々の通貨、たとえば豪ドル、ブラジルレアル、チリ・ペソなどは、現在ここ数年来の高値水準にあるが、中国の景気悪化が進めば値を下げるだろう。
また、アンダーソン氏によると、中国の景気が悪化した場合、中国国内で鉄鋼や機械などが供給過剰となるだろうという。2000年代に起こった短期間の景気停滞の間、中国は供給がだぶついた分を非常に低い価格で輸出した。それがきっかけとなって、世界的に鉄鋼価格が下がり、米国や欧州との政治的な摩擦が生じた。欧米の鉄鋼業界は、中国の鉄鋼がグローバル市場に流れ込んでくることに苛立っている。
中国の近隣諸国、韓国、台湾、日本は建設業と製造業向けに重機を販売しており、影響を受けるだろう。
さらに、中国で急成長中の製造業にハイテク製品を供給している国、特にドイツには影響がありそうだ。ドイツ経済は輸出への依存度が高い。
「ドイツには、中国が必要としているものがある」。フランスの投資銀行、ナティクシスのアジア担当エコノミスト、ルカ・シリポ氏は言う。「10年前は、中国は自力で製造できた。なぜなら、技術の不要な消費者向け製品を中心に作っていたからだ。だが、今ではもっと高度な製品を作ろうとしており、技術は不可欠だ。この意味で、中国の発展におけるドイツの役割は大きくなっている」
ドイツの輸出相手国として中国は急成長しており、2010年には対中輸出が44%増加した。ただし、ドイツの輸出相手国として中国は、フランス、米国、オランダ、英国、イタリア、オーストリアに次ぐ、7番目の規模でしかない。
米国は中国の輸出品を大量に消費している。しかし中国は、農産物や航空機などを除き、米国の製品をそれほど大量に求めているわけではない。また、米国経済は国内需要に影響される部分が大きく、中国への輸出が減ったとしても影響はわずかだろう。
「中国の景気がひどく悪化したら、欧米にも多少の影響はあるだろう。だが、それが原因となって、景気全体が再び落ち込むようなことはないはずだ」。UBSのアンダーソン氏は話す。