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最低保障年金導入事実上見送りへ 民主党年金改革案

民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長・仙谷由人代表代行)は25日、国会内で総会を開き、社会保障改革の最終案をとりまとめ、党のマニフェスト(政権公約)で掲げていた最低保障年金の具体的な導入時期を明記しないことを決めた。これは導入を事実上見送るもので、代わって「現行の年金制度の問題点を可能な限り改善し、国民の年金に対する信頼を回復する」と現行制度の改善を打ち出した。

 最終案では、具体的な改善策として、非正規労働者への厚生年金の適用拡大や、かつて民主党の反対で法案が廃案になった厚生年金と共済年金の一元化を盛り込んだ。

 最低保障年金と併せて導入する所得比例年金の保険料は年収の15%とし、会社員は労使折半、自営業者は全額負担とする。最低保障年金の支給額は月額7万円で、「一定の年収水準」から徐々に減額することは明記したが、減額対象となる年収水準の数字も明記しないことで、具体的な制度設計がわからない「玉虫色」の内容にとどめた。

 また、総会では所得比例年金の保険料15%に対し「下げるべきだ」と調査会幹部がまとめた案に対する異論も出た。

 調査会は最終案を党の拡大政調会議にかけたうえで、政府・与党の「集中検討会議」(議長・菅直人首相)に提出する。

 民主党はマニフェストで、年金改革について国民・厚生・共済の3年金の一元化と消費税を財源とする最低保障年金の創設を示し、「年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる」としていた。

 しかし、調査会がまとめた最終案は集中検討会議に歩調を合わせた格好だ。このため、党内からマニフェスト違反との批判が出ることも予想される。

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