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溜息ばかりな戦略ばかりだ 借り物

株、「長期投資の時代」は終わったか
編集委員・北沢千秋

公開日時
(1/3ページ)
2011/5/23 7:00


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 「株式は長期投資で企業の利益成長を享受するもの」「株式投資は長期の資産運用に最も適した手段」--。教科書に出てくるようなそんな株の長期投資のメリットは、低迷が続いてきた日本の株式市場にも当てはまるのだろうか。残念ながら、過去のデータを見る限り必ずしもそうとはいえない。

■10年で100万円が87万円に



表1 東証1部市場の株式投資収益率


保有年数(購入年)
投資
収益率
(年複利・%)
100万円の
投資成果
(円)

1年(2009年)
4.4
104万4000

3年(2007年)
-15.2
60万9800

5年(2005年)
-3.6
83万2502

10年(2000年)
-1.3
87万7347

20年(1990年)
-0.6
88万6600

30年(1980年)
5.7
527万5330

(注)出所は日本証券経済研究所
投資成果は各年に100万円を投資し2010年に売却したときの
元本合計

 表1は日本証券経済研究所がまとめた「株式投資収益率調査」の最新データ。東京証券取引所第1部の全銘柄をある年の平均株価で購入し、2010年の平均株価で売却したときの配当込み収益率(年平均の複利)だ。2000年に購入し、10年後の2010年に売却したときの収益率は-1.3%。この方法で100万円を投資した場合、10年後には87万7000円になっていた計算になる。1990年に購入して20年間保有したときの収益率も-0.6%にとどまり、やはり100万円が88万7000円に減っていた。

 

 1980年購入・30年保有の場合、80年代のバブル相場の恩恵を享受して収益率は+5.7%と大きく改善する。100万円は30年後には527万円に増えており、まさに「長期投資の醍醐味(だいごみ)」といえそう。だが、バブルのピークの1989年に売り切っていれば、元本は718万円になっていた。相場が変調をきたした後も持ち続けたことで、結果的に利益を減らしてしまったことになる。

この20年間、日本の株式市場はバブル崩壊や100年に一度といわれたリーマン・ショック後の世界的な金融危機など、かつて経験したことがない大きな逆風に見舞われてきた。データはあくまで「失われた20年」の異常値だという見方ができるかもしれない。

 では、今後の日本株にはどんな展望を持てるのだろうか。名古屋市立大学大学院経済学研究科の臼杵政治教授は日本株の期待成長率を「日本経済の潜在成長力の1%に配当利回りの2%を加えた3%程度」とみる。低金利の時代に投資額が3%で増え続けるとすれば、株式は効率のいい投資対象だといえる。

■右肩上がりは想定できない

 しかし現実には、日本の国内総生産(GDP)の成長はこの10年以上、停滞が続いてきた。田辺経済研究所の田辺孝則代表は「人口が減り、成長のための政策もなく、国内市場の拡大が望めない国の株式市場には右肩上がりの相場は想定できない」と主張する。

 



表2 銘柄別の投資収益率ランキング(2010年)    


順位
社名
投資
収益率
(%)


フージャースコーポレーション
219


ツガミ
205


AQインタラクティブ
145


鬼怒川ゴム工業
134


日本電産トーソク
126


旭ダイヤモンド工業
118


富士機工
116


ディー・エヌ・エー
115


村上開明堂
115

10
アライドテレシスホールディングス
108

11
TBK
106

12
クラリオン
105

13
自動車部品工業
92

14
メルコホールディングス
92

15
日本カーバイド工業
90

16
KYB
90

17
パル
84

18
MORESCO
84

19
アーネストワン
83

20
黒崎播磨
83



日本株全体は、将来の成長期待を背景にした長期上昇相場が終わった1989年を屈折点に、景気の波を先取りしながら上げ下げを繰り返す、景気循環株に変わったと見ることができる。株を買って長期に持ち続けていると、値上がりの機会とともに値下がりリスクにさらされる機会も増えることになる。

もちろん、日本株投資で利益を上げることはもうできない、というのではない。日本証券経済研究所の「株式投資収益率調査」でも、2005年に購入し、翌2006年に売却したケースでは30.5%という高い収益率を示している。「小泉構造改革」をはやして相場が急騰した時期だ。金融危機の再燃で株価が急落した2003年に購入し、その後の外国人買いで急回復した2004年に売却した場合も、27.4%のリターンがあった。表2のように個別銘柄で見ても、東証上場2079銘柄(上場廃止銘柄と上場1年未満銘柄を除く)のうち、2010年の年間投資収益率が100%を上回ったものは12銘柄あった。今後も、新興国市場の高成長を取り込みながら利益成長を続けていく銘柄はいくつも現れるだろう。

 

■「バイ&ホールド」戦略は通用せず

 当たり前のことではあるが、要はボックス相場を前提にすれば、波をとらえる売買のタイミングと銘柄の選別が、これまで以上に投資の成否を左右する、ということだ。多くの年金基金のように指数連動型のパッシブ運用で東証1部の全銘柄に投資し、長期に持ち続ける従来型の方法では、低成長の国の株式市場では大きなリターンは期待できそうにない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは「株式投資でバイ・アンド・ホールド(買って持ち続ける)戦略の時代は終わった」と言い切る。

 投資家にとっては、経済の成熟とともに株式投資で成功するハードルは高まっている。

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