成長ビジョンが問題

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2008/01/21 - ちょいかぶおやじさんの株式ブログ。タイトル:「成長ビジョンが問題」 本文:このところ、株式市場の低迷というか下落が続いています。サブプライム問題の影響が大で、個別銘柄というよりは市場全体の問題のように思えます。

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成長ビジョンが問題

このところ、株式市場の低迷というか下落が続いています。サブプライム問題の影響が大で、個別銘柄というよりは市場全体の問題のように思えます。

しかし、こういう時こそ、長期投資を始めるチャンスだと思います。

ところが、いざ、投資対象を選ぼうとすると、なかなか良い投資先が見つかりません。投資対象選択の基準として、単純に、①その会社に品格や美学があると思えるか、②その会社にわくわくする成長ビジョンがあると思えるか、という2点を重視すると、思い当たる会社が見つからないのであります。

日本はもうだめだ、やはり中国やインドだ、といっている声が大きいですが、本当にそうでしょうか。日本市場は、グローバルに見ても、少子高齢化、環境などの課題先進国です。課題あるところに解決策の発明・イノベーションが生まれる筈です。どうして、先進的課題→イノベーションという方程式が成り立つと思えないのでしょうか。

この方程式が成り立つには、成長ビジョンという情熱と信念が必要なのではないでしょうか。未来は誰も予測できませんが、会社でも個人でも未来を創ろうとすることがその未来予測の実現確率をもっとも高めることになるのだと思います。
それでは、なぜ、日本の多くの企業は成長ビジョンを打ち出さないのでしょうか。持っているけど、外部に打ち出さない、というのではなく、持っていないからか打ち出せないと思います。そう、なぜ、成長ビジョンを持っていないのか。
成長ビジョンとは、会社はなぜ世の中に存在しているのか、会社の存在意義をベースとするものです。

会社の価値は、既存事業価値と成長オプション価値の2つから構成されるといわれますが、成長オプション価値=成長ビジョンを高めようとすると、その資金繰りのために、既存事業からの収益も向上させなければなりません。日本企業の株主資本利益率は、少なくとも大手企業比較に基づけば、欧米企業の17~18%に対して、日本企業は10%程度で、大きな差が存在しています。金銭や利益に対する考え方の差に根本原因があるとも思えますが、日本人に合致する考え方は、現在の利益は将来の価値を生み出すためのコストであるという、ピター・ドラッカーがかつて語った考え方ではないかと思います。だとすると、日本の収益性の低さは、その将来ビジョンの欠如が原因ということになると思います。成長ビジョンが明確でないから、日本企業の多くの行動は、ビジネス環境の変化に対して後手後手の対応になってしまっているのではないでしょうか。大義のある成長ビジョンを持っており会社組織に浸透していれば、成長ビジョン実現のために、コンプライアンス遵守は最低限のハードルという認識が大いになされても良い筈です。

今後、どのような会社がどのような成長ビジョンを打ち出してくるか、注目していきたいと思います。

会社も人間も同じですが、ムチ(プレッシャー)だけでは、本来以上のことは達成されないと思います。この程度の実力と自分が思っていた水準以上のことを成し遂げて、感動が得られるのです。

最近、気に入っているCeltic Womenの唄のなかに、You
Raise Me UP To More Than I Can Be という部分があります。まさに、Youの部分が成長ビジョンということでしょう。しかも、More Than I Can Do ではなく、More Than I Can Be というDoとBeの違いは、表面的な行動や成果ではなく、本質的な品格や美学の違いを示唆しているように思えます。みんかぶを運営しているマスチューンに加えて、「大義のある成長ビジョン」を持つ会社をみんなで探し出し、応援できたらいいな、と思います。

以上、年頭にあたっての、投資宣言を書き記してみました。私自身としては、この投資宣言についても、毎年新年に掲げるダイエットという目標の轍に落ち込まないようにしたいものです。
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