「理想の馬鹿」 2話

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「理想の馬鹿」 2話

<魔法の消えたシンデレラ>

ズガガガ、ズガ、ガ、ガガガーーン。

不機嫌が目前に迫ってきそうな遠くの方からかすかに聞こえてくる。

(う~~ん。な、何だ?)

3秒後。

案の定、不機嫌な僕が迷惑極まりない工事の音で目が覚めた。

そして、5秒後。

更に不機嫌なシャワーが降りかかる。

(やっぱ…夢か…。)

ふと、時計を見る。

PM12:47

「フッフフ」

僕は笑った。と、いうより呆れて笑うしかなかった。

28歳、男、独身、職業ナシ、彼女ナシ。

特技: 心の中での逆ギレ

どう考えても平日の昼間に目を覚ます自分の現状が非現実的なのに、昼間工事限定のルールに従って一生懸命働く工事現場の作業員達に憤りを感じる。(ズガガガの人達)

昨日のカッコ良くて、雰囲気があって、なおかつ余裕もある。そんな紳士な2人とは真逆な人間がそこにいた。

そう。僕の現実は…


「魔法の消えたシンデレラ」だった。


つづく
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