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下値は固まってきているが

先週末の日経平均は9426.71(+50.23) 雲の上だが、基準線、転換線の下、ボリンジャーはマイナスσの近辺、MACD RCIは下降。雲の上限9301で反発し、基準線9458をトライしているところ。下値が切り上がって小さな三角持合になっており、どちらかに離れそうだが、週足のMACDは底打ち上昇しており、下値はだいぶ固めてきている印象ではあるが、目先の基調を転換して上値を追う勢いはまだ乏しそうだ。

ダウは11132.56(-14.01)雲、基準線、転換線上、ボリンジャーはプラスσ上、MACD RCIは頭打ち。目先なお上昇基調を維持しているが、やや勢いが弱まってきている。しかし週足のほうは、基準線、転換線の上、プラスσの上でバンドが広がり、MACD、RCIは上昇しており、月足も転換線を抜けてきて、プラスσ、MACDはプラス圏に浮上しそうになっている。2010年4月の11258を抜けるかどうかが問題で、抜けれれずに反転する可能性もあるが、中期、長期の上昇基調が維持できることを期待したい。

ドル円は日曜朝の現時点で、81.36雲、基準線、転換線の下、ボリンジャーはマイナスσの外であいかわらず円高基調だが、MACD RCIは底打ちしてきており、広がっていたバンドも気持ち狭まりつつある。

アメリカの10年もの国債の金利は、底打ちを続けており、週足転換線近辺。まだ基調は変わっていないものの、週足ボリンジャーはマイナスσの内側にはいってきており、バンドも狭まりつつあり、どうやら長期金利は底打ち上昇にはいりつつあると思われる。介入への警戒もあるだろうが、これを反映して、ドル円相場も、かすかにドル底打ちの雰囲気がただよっているようだ。介入やドル底打ちの期待で、日経平均も下値が固まってきているという状況だろうか。G20はなにかまとまった対応ができるのかどうか分からないが、これ以上のドル安はのぞまない、というメッセージがでれば、と期待したい。
ところで中国の反日デモが不穏な動きだ。改革派温家宝の力が弱まり、江沢民系譜の習近平が軍の副主席になったことと無関係とは思えない。反日カードをつかって、経済成長重視の改革派を弱め追い落とそうという動きではないだろうか。鄧小平がいたころから、ずっと存在する改革派と左派の権力闘争が、資産バブルと格差の拡大の中で、新たな局面にはいってきたのかもしれない。もしかすると平等主義的な分配政策に経済運営の重点を大きく移す方向に舵をきる予兆になるかもしれない。もちろん現在の資産バブルを放置することもできないし、格差を是正して内需への転換を図ることも戦略的には必要だろうが、もともと沿海部の輸出産業の育成で富を築いてきたのが、鄧小平以来の路線なので、転換は容易でなく、左派の勢いが強まることで、バブルが崩壊し、混乱が生じる危険も潜在しているように思われる。中国は巨大な市場だが、中国の政治体制は、市場経済を完全に基盤にしているわけではなく、中国だけに依存するのは、日本にとってリスクが大きすぎるのではないか。
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