8月2日、民間調査会社のACFは、西オーストラリア州の小麦収穫高が、干ばつの影響で大きな打撃を受ける恐れがあると明らかに。写真は同州の小麦畑。提供写真(2010年 ロイター/西オーストラリア州農業・食品省) [拡大]
【シドニー 2日 ロイター】 民間調査会社のオーストラリアン・クロップ・フォーキャスターズ(ACF)は2日、オーストラリア最大の小麦生産地域である西オーストラリア州の小麦収穫高が、干ばつの影響で大きな打撃を受ける恐れがあると明らかにした。ただ、他の地域における生育状況は順調で、西オーストラリア州での生産減を補うことができると指摘した。
世界の小麦価格はロシア黒海地方の深刻な干ばつによる影響で、7月は少なくとも1959年以降、月間で最大の上昇を示した。
世界第4位の小麦輸出国であるオーストラリアで収穫減の兆候が出れば、世界の小麦価格にさらに上昇圧力がかかる可能性がある。
ACFトップのロン・ストレイ氏は「現時点では、水不足から西オーストラリア州の小麦収穫見通しは引き続き厳しい」と述べた。
ACFによると、2010/11年度の同州の収穫高は700万トン弱にとどまる見通し。09/10年度の実績は820万トンだった。同州は通常、オーストラリア全体の小麦輸出の40%を占める。
同氏は「今年は700万トンという予想だが、天候が改善しなければ、これをやや下回る可能性もある」と明らかにした。
ただ、降水量に恵まれたオーストラリア東部では、小麦の豊作が予想されている。例年10月には収穫が始まる。
ACFの予想によると、同国の2010/11年度の収穫高は2190万トンで、09/10年度の2170万トンから増加が見込まれる。うち、650万トンが国内向け。
国全体の収穫高が改善すれば、ロシアの減少分を補うことができる。ロシアは世界有数の小麦生産国だが、干ばつに襲われ、大幅な収穫減が予想されている。
東海岸のニューサウスウェールズ州の収穫量は前年比50%超の増加が見込まれる。同州は穀物生産ではオーストラリア第2位だが、ここ数年は干ばつで収穫高が落ち込んでいた。
2010/08/02 22:22