kazzmarさんのブログ
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「厳しい舵取りを迫られるKDDI」 ①
今日は"頭の体操"として、「厳しい舵取りを迫られるKDDI」と題した4回ものの読み物を掲載します。興味とお暇のある方はご一読を!
※せっかくですから、Picks連動にしました!
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厳しい舵取りに直面するKDDI
MNP解禁以降、ソフトバンクモバイル(以下、SBM)と共にまさに日の出の勢いでNTTドコモからシェアを奪うau/KDDI。掲題を予測するのは事実に基づく仮説が構築できるからだ。
au/KDDIが厳しい局面を迎えると考える理由は4つある。
・CDMA陣営、技術ロードマップの“断裂”
・世界に広がるSIMロック解除の波
・後手に回る「フェムトセル」解禁への対応
・モバイルWiMAX、進まざるを得ない免許取得の辛さ
以下、4つの理由を解説していきたい。
CDMA陣営、技術ロードマップの“断裂”
周知の通り、3Gの国際規格には3GPP系の「W-CDMA」と3GPP2系の「cdma2000」がある。(他にも、中国の「TD-SCDMA」と最近規格入りした「WiMAX」があるがキャリアの採用実績を踏まえ、ここでは割愛する)ワールドワイドでは、3GPP系がGSM含めシェア8割を占め、3GPP2系は北米中心に2割に留まっており、その形勢はここ2年の間に更に強まっている。そこには、3.5G以降の“技術ロードマップ”の差が顕著に現れている。
3GPP・GSM系列の3G規格「W-CDMA」は、次世代通信方式を「LTE」とし、その道筋は明らかだ。現在、W-CDMA採用キャリアの殆どは3.5GHSDPA移行を終えてきており、上り高速化のHSUPAへのアップグレードに進んでいる。HSPA以降の次のメジャーアップグレードである「LTE」(下り100Mbps、上り50Mbps)へも3Gとの下位互換を保ったスムーズな移行が可能だ。
対して、米Qualcommが主導、ベースバンドチップを供給する3G規格「cdma2000」であるが、現行の「EV-DO Rev.A」からキャリア側の「Rev.B」移行は進んでいない。というのも、「Rev.B」は「UMB(旧Rev.C)」への橋渡しに過ぎないため、「UMB」へ“一気に”アップグレードできるか?その可否を様子見されている。「UMB」は理論上288Mbpsの高速通信規格だが、実際の通信速度はその1/4程度(約70Mbps)とRev.Bのカタログスペックと変わらない上、OFDMAベースであり下位互換を念頭に置かない。「UMB」はキャリアにとって膨大な設備投資に見合う採算が得られるか大きな懸念を持たれているわけだ。
「LTE」、「UMB」ともにまだその規格自体が確立しているわけではないが、端末/基地局やネットワーク敷設に先立つ通信計測器の分野でも、ここにきて「LTE」と「UMB」への対応の格差は歴然としてきた。同業界大手の米Agilentやアンリツ、国内勢でも横河電機が「LTE」対応測定器を発表してきたが、「UMB」については世界的にも“皆無”と言っていい状況。
こういった背景から、3GPP2・cdma2000系から「HSPA」や次世代通信方式を「LTE」への移行、3GPPへの転向が世界各地で起こっている。そこに「cdma」系の雄、米Verizonの“転向”が伝えられた。Verizonは世界最大のCDMA市場・米国の中でも最大のEV-DOキャリアであり、CDMA陣営にとっては大きな痛手となる。
日本国内のCDMA陣営といえば、au by KDDI。世界の趨勢に習って、cdma系列から「LTE」への転向を模索したいところだが、ことはそう簡単ではない。前述の通り、cdma系列は米Qualcommが主導しているが、Qualcommは同時にをチップとミドルウェアによる協調アプリケーション・プラットフォーム「BREW」を推進しており、au/KDDIはそれをモディファイした「KCP(KDDI Common Platform)+」を提供している。今やアプリケーションと通信サービスはシームレスに統合されており、端末/基地局のインフラはこのBREW/KCPの運用を前提に最適化されている。これをどう収拾するのか?
先般のGoogleによる「Android」プラットフォーム発表で、その推進団体である「Open Handset Alliance(以下,OHA)」にQualcommとKDDIが名を連ねた。「KCP+だけで全てのユーザーのニーズを満たせるかどうかは分からない。Androidも活用し、多様化したユーザーニーズに対応していきたい」(KDDI)としている。このことからも、KDDIの“迷走”ぶりがうかがえる。
「厳しい舵取りを迫られるKDDI」②へ続く
http://minkabu.jp/blog/show/25713
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