ぷよすけさんのブログ

No.523　国内株式外部環境波乱含み業績意識の底堅さ期待

通報する

投稿:2010/6/5 23:35

更新:2010/6/5 23:50

■引き続き外部環境次第の展開

引き続き為替動向を中心に外部環境に対して神経質な相場展開が余儀なくされそうだ。日経平均株価は5月27日安値9395円を起点に自律反発基調を鮮明としている。もっとも、ドル建て日経平均株価の上値は5月25日から抑えられたままであり、先週までの反発は、あくまで外部環境の好転によるものにすぎない。外部環境に再び暗雲が垂れ込めた今週は、改めて下値固めをこなす展開が想定されよう。

注目された米5月雇用統計だが、非農業部門の雇用者増が前月比43.1万人にとどまり、事前予想（51万人増）を大幅に下回った。失業率（9.7％）の改善はほぼ予想通りとはいえ、雇用実態を示す民間部門の雇用者数の伸びが僅か4.1万人にとどまるなど、4月の21.8万人からは米雇用情勢の鈍化は明らかであり、国税調査に伴う臨時雇用分が市場参加者の期待を膨らませていただけに過ぎなかったとの反省が当面は支配的となりそうだ。

いったん沈静化したかにみえた欧州信用不安問題についても、前週末の欧州株市場の取引終了後にユーロ安が進行するなど、投資家の不安心理は収まっていない。4日から5日にかけて韓国で開催予定の20カ国・地域（Ｇ20）財務相・中央銀行総裁会議を通過後に一段とユーロ安が進行するならば、日経平均株価は5月27日安値9395円をテストする場面もありそうだ。

■相場の不安定さが一段と増す懸念

北朝鮮が7日に開催する最高人民会議では強硬姿勢を強める懸念もあり、地政学リスクが再燃することも警戒される。また、10日発表予定の中国5月貿易収支では、最大の輸出先である欧州向け輸出に一段と不透明感が増す懸念があり、翌11日発表予定の一連の中国経済指標への警戒感にもつながることも懸念される。中国経済指標では5月消費者物価指数（ＣＰＩ）が政府の年間目標値3％を上回ると、金融引き締めへの警戒も誘いかねず、相場は神経質な展開が余儀なくされそうだ。

週末11日の株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数（ＳＱ）の算出日を控え、週間を通じて模様眺め気分を誘うことが想定されるなか、8日にはグリーが東証マザーズ市場から東証１部市場へ指定替えとなる。ファンドによる同社株への組み入れ期待がある半面、時価総額は約3000億円規模と大きいだけに、その他の個別株に対するリバランス警戒にもつながろう。

■国内経済指標は意外な好反応も

一方、国内経済指標では8日発表予定の5月景気ウォッチャー調査に注目したい。前回4月調査では、現状判断DI指数は49.8まで改善した。先行き判断DI指数は49.9であったが、5月調査分が約３年ぶりに景気判断の分起点となる50超えを達成できるかが注目される。5月は欧州信用不安問題などを背景に急激な円高や株安が進行した。事前の期待感が乏しいだけにサプライズ効果につながる期待はある。

また、9日には4月機械受注と5月工作機械受注が発表される。4月以降の下落局面では市場からの反応が乏しかった両指標だが、着実な回復傾向が示されれば、業績相場を意識した買いが関連株へ改めて流入する期待はある。

続く10日は5月オフィス空室率が発表される。3ヶ月連続で調査開始以来の最高水準を更新しているが、すでに大手不動産株は4月の年初来高値を形成後、約1ヵ月間で年初来安値圏まで調整が進んでいる。オフィス需給に改善の兆しが示された場合はアク抜けにつながる可能性は秘めていよう。

■業績相場を意識した底堅さを確認できるか

外部環境の不透明感は強いものの、4月5日以降の株価下落で、東証１部市場のＰＥＲは17倍台、ＰＢＲは1.1倍台へ低下している。11日のメジャーＳＱを境に業績相場を意識したポートフォリオの組み換えが進む期待は高く、企業業績の改善傾向を背景とする底堅さが確認されれば、価格帯別累積売買高では10100円までは真空地帯であり、5月20日との間に空いた窓埋め（9999円）水準、4月5日高値11408円から5月27日安値9395円の下落波に対する三分の一戻し（10066円）などを意識した反発局面を維持することが可能となる。菅新政権の誕生による“自立”反発へ持ち込めるかが注目されよう。

《TN》
株式会社フィスコプレイス

チャートは陰線が途切れたので「買い」のはずなんですが……
グリーはもう遅いでしょうか？？