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日本人の幸福感調査発表に思うこと

今日内閣府が、日本国民の幸福感の数値を発表しました。0点が「とても不幸」、10点が「とても幸せ」というスケールで、アンケート調査をした結果、6.4点で、欧州28カ国の6.9点を下回っているようです。デンマークが8.4点、フィンランドが8.0点ということだそうです。英国もフランスも7点台ということです。

男女別では、女性の方が男性よりも高い幸福感を感じているようです。7点以上の回答比率は男性は49%、女性が59%。年齢別では、30歳代が7点以上の比率が61%で最多。年齢が上がるにつれて、幸福感が低下しているようです。

最近のポジティブ心理学(伝統的な心理学は異常な状態への対応を研究テーマとしていますが、ポジティブ心理学は強みも弱みも迷いも抱えている普通の人間がどうしたら幸福になれるかを研究テーマとしています)によれば、適度の難易度があるものの意義を感じられる仕事に能力を発揮していると感じられているときに幸福感を得ることができる、ということだそうです。難易度が高すぎると不安を感じ、能力を発揮していないと、退屈に感じる、ということです。こういう観点からすると、「自分はどんなことに意義を感じるのか?」「自分はどんなことに喜びを感じるのか?」「自分は何が得意なのだろうか?」という意義(Meaning)と(Pleasure)と(Strength)の3つを自覚しなければならないそうです(このあたりの議論は、「Happier:幸福も成功も手にするシークレット・メソッド」という本に基づいています)。MPSの3つが重なるところに該当する活動とは何か、を30歳代の人々はそれまでよりは明確に持つことが可能となり始める時期であり、その実現に向けて希望を維持できる時期でもあります。年をとり、経験を積んだ人になればなるほど、できない理由が見えてしまい、挑戦自体をあきらめてしまうのです。挑戦しない限り、幸福感は高まりようがありません。

グーグルの創業者の一人であるラリー・ペイジは、「小さな目標を掲げるよるも、大きな目標を掲げる方が楽なことが多い」と言っているそうです。大きな目標だと、時間がかかることも十二分にわかっているし、目標到達の経路も多様にあるはずだと思い、いろいろと工夫できるし、計画外のことが起きることも覚悟しており、臨機応変に対応できる余裕もある、ということです。これは、現在読んでいる、「20歳のときに知っておきたかったこと」(ティナ・シーリグ著)が指摘していることです。

男性が女性に比べて幸福感が低い、というのは、MPSの問題と大きな目標に最初から挑戦しないことに原因があるのでしょうか。

日本人の幸福感が欧州に比べて低いのは、「ショウガナイジャン」派が「ヤッテヤロウジャン」派を上回ってしまっていることに原因があるかもしれません。この区分は、「ジャッド―生きることの不思議」(フランソワ ギャラニヨン著)で語られている区分です。この本の中で、「夢はおいかけないとしぼんじゃう。」とか「不機嫌はインフルエンザのようなもの。10人がかかるのに一人いれば十分。」という警告も発せられています。

大きな幸福感は充実感から生まれること、そして、充実感は自立心と自律心がなければ得られないことを前提にして、どのような年金制度、子育て支援制度が望ましいのか、を考える必要があると思います。選挙対策といった国民を侮った考え方で、その場しのぎの部分最適だけを唱えていることに国民は不満を感じているからこそ、年金と子育てに関する政策への満足度は5点満点の2点と落第点となっているのでしょう。

新成長戦略に幸福度を含めるという発想には賛同します。でも、幸福度の指標化はよほど注意しないといけませんが、「ヤッテヤロウジャン」精神から、幸福度の数値化・成長戦略への取り込みは思い立った時点で開始すべきだと思います。失敗を恐れて何もしないより、始めた方が良いのです。しかし、不具合への感度を高め、臨機応変に対応するためには、幸福の哲学をしっかり持っておく必要があると思います。このあたりの議論が活発化するといいなと思います。
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