「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれる「ニシン」。
今では「幻の魚」と言われるほどその数は激減しています。
北海道を代表する民謡「ソーラン節」がニシン漁の労働歌で
あることからも分かりますが、かつてニシン漁業は北海道の
一大産業でした。
http://www.seafoodfromnorway.jp/seafood/dictionary/herring.asp
漁が最も盛んだったのは明治の終わり頃で、岸に押し寄せ
るニシンの雄の精液で海が白くなったそうです。そして、
「ニシン御殿」が林立していました。
旬の魚として人気があるのは、3~5月頃に北海道沿岸に
産卵のために近づいてきたもので、脂がのって最も美味しく
なります。身が軟らかく独特の油臭さがありますが、これが
また特有のうまみにもなっています。
ちなみに、「子供が栄え、子孫が栄える」・「よいことが
数々ある」の縁起でお正月の食膳に欠かせない「数の子」は、
産卵の為に沿岸におしよせるニシンの雌の腹から取り出した
卵巣を1本1本塩水で処理加工したものですが、意外とニシ
ンから採れることを知らずに食べている人も多いようです。